ケロケロみん

サルバドル/遥かなる日々のケロケロみんのレビュー・感想・評価

サルバドル/遥かなる日々(1986年製作の映画)
4.0
中米のエルサルバドルで75000人の犠牲者を出した内戦を取材した実在のジャーナリストのルポを元にした作品。この内戦は1992年に終息した。映画は全部作り物かと思っていたが、他の方のレビューを見るとどうやら本物の戦争の中で撮影されたものらしい。最初は友達のドクの愛犬が安楽死させられたところでショックを受けた。(引きとり期限を過ぎたので眠らせました。すみません。代わりに子犬を引き取りませんか?)
道に焼死体、市場での銃撃戦、尼さんレイプ殺害…あまりの酷い映像にすっかり打ちのめされた。
今と違い当時のアメリカの敵は共産主義政権で、手当たり次第に軍事介入して反共を推し進めていた。その一番の失敗例がベトナム戦争だった。わたしはベトナム戦争に興味があり2年連続でベトナムを訪れ彼のようなジャーナリストの撮った命がけの写真をみたり、ベトコンゲリラの基地を見学したり、米軍が枯れ葉剤をまいた土地をマングローブ林に復活させた場所を見学した。ドキュメンタリーもみた。どれをみても米軍は他の国に乗り込んで、他の国の人々を殺している。必要性を感じない。なのにベトナム戦争終結まもない80年代初頭にはエルサルバドルに介入し混乱を悪化させた。今でも同じようなことをしていてキリがない。主人公のボイルが「以前はポルポト政権を擁護した。あの頃は彼らがどんな政策を立てるかわからなかった」と話す場面がありゾッとした。