Shaw

めしのShawのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
3.7
成瀬巳喜男二作目の鑑賞。

まるでロボットのように家事をこなす抑揚のない毎日に嫌気がさした原節子。

夫婦の元に夫の方の姪がやってくるんだけど、この人がまあコロナばりに色気を撒き散らす奔放なおてんば娘で、原節子もついに「もういいや!」ってなっちゃうんですね。

本作は"夫婦の実像<一人の女"っていうふうな映画で、正直『浮雲』を見た時は「こいつマジか」ってなったけど、本作を見てこの監督が「女性を描くのがうまい」とされる所以が少し垣間見えた気がする。まあ納得いかんところもあるけども。

実際、この時代に生きてた女性というのは所帯持ちだろうがそうじゃなかろうが、彼女たちには搾取的な社会だったろうし。で、そんな多くの女性たちの中から一つのエピソードを切り取ったような。

映画的に花があるとしたら「魔性の女里子に狂わされる男たちと彼女の愛憎劇」だってありだけど、成瀬巳喜男ってのはそうはいかないんだなと。

ラストの主人公のセリフに関しては正直今の人々は「いや違う」という人が大多数だろう。時代の変化を感じる映画だと思う。
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