mar88

めしのmar88のレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
4.0
女友達の悩める姿に心を痛め、親身になって相談を聞いたが、結局は「そっちかい!」という女子相談あるある映画。


原節子、2作品目。
小津監督ではなく、成瀬監督を選んでみた。

「晩春」の紀子とこちらの三千代では両極端な役を演じていて、自分で選んでおきながら、原節子の笑顔がみたい!と悲しくなっていた。

三千代は大阪での夫との平凡な暮らしに退屈し、「私の一生は、この人のご飯を作り、家事のことをしながら終わるのだろうか」と不満を抱えていた。
そんな時に夫の姪(この女子が三千代の立場じゃなくても、まぁイライラさせるし、私だったら関わりたくない。笑)が遊びに来て、さらに不満は増幅し、三千代の心に波風を立てる。
我慢ならなくなった三千代は東京にある実家にしばらく帰ることにする。


と、ここで、わたしは三千代は離婚して東京でバリバリ働き自由を謳歌し、夫は三千代がいなくなった家で自堕落な生活に果てて行く結末を想像していたのですが違った。

三千代の実家に夫が迎えに来るのだ。東京には仕事で来たんだ。と言い訳をつけて。
そんな夫に三千代は最初こそ釣れない態度を取るものの、なんだかとても嬉しそうなのだ。


おいおい、なんだい、なんだい!そういうことかよ。
わたしは夫婦のというか、男女の不可思議を目の当たりにした気がした。

真剣に相談に乗って損したよ。って笑いながら友の幸せを祈ろう。

自分の存在意義なんて、自分が思ってるほど自分じゃわからない。
それは結婚してたって、独身だって同じだと思った。

妻といると「お腹がすいてくる」なんだかそれは幸せなことに思える。
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