めしのにしのネタバレレビュー・内容・結末

私は昔の作品を見ると、現在より強固なジェンダー観に違和感を覚えてそれが鑑賞中のノイズとなってしまいがちなのだが、成瀬巳喜男監督作品はその点を気にする必要がなくてありがたい。

結婚生活の息苦しさから実家に帰るも、迎えに来た夫はなんだかんだ一緒に暮らしてきた愛着があるし決して悪い人ではないし、また元の日々に戻っても良いのかなと一周回って納得をする主人公。
それも一つの幸せの形だとは思うが、エピローグのナレーションがとても蛇足に感じた。ここまでの描き方から浮いているというか。原作者が亡くなったため未完の物語を補完して映画化したそうだが、作者が最後まで書いていたらこの終わり方には絶対にならなかっただろうな。