ともぞう

めしのともぞうのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
3.3
今から70年前の作品だけあってタイトルがどストレート(笑)
我儘な姪っ子が突然やって来て、家の手伝いを何もせず何日も居候する。呑気な夫は甘やかし、イライラする妻。反対に妹の夫は忖度せず、その姪っ子に言いたいことを言い、衝突する。
いろんな夫がいて、いろんな夫婦がある。鈍感で優柔不断だけど優しい所もある旦那に添い遂げようと決心するラスト。
夫婦も人生も、良い意味で割り切りと諦めは必要だと個人的には思うが、最後の「女の幸せはそんなもの」というナレーションは、今だったらフェミニストから大批判を受けるだろうなぁ。

〈あらすじ〉
結婚5年目を迎えた平凡な夫婦。いわゆる倦怠期の彼らは、ささいな事から衝突を繰り返し、次第に溝を深めていく。優柔不断な夫に苛立つ妻・三千代は、単調な人生に疑問を感じ、とうとう家を出てしまう。
名匠・成瀬巳喜男監督が林芙美子の原作を基に、倦怠期を迎え、ささいなことで諍いを繰り返し、溝を深める夫婦の姿を描いた傑作ドラマ。単調な毎日を送る中で、徐々に自らの生き方に疑問を抱き始める妻の心理を、日常のキメ細かな描写から見事に紡ぎ出していく。描かれる内容は、現代にも通ずるかなり辛口なテーマながら、最後はきれいに丸く納まり後味も良く、心に染みる名品。
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