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血煙高田の馬場のoのレビュー・感想・評価

血煙高田の馬場(1937年製作の映画)
4.0
堀部安兵衛が叔父の決闘に助太刀する話。

冒頭から素晴らしい。
広場を埋める見物の群衆。
睨み合いを始めた二つの集団のあいだに次第に無人の空間が生まれるが、そこに酔って千鳥足の堀部安兵衛(阪東妻三郎)が登場して仲裁を始める。人混みの中から現れて放つ主役の存在感。

仲裁の光景を目撃していた叔父からの厳しい説教の場面も良い。
自分が得意げに語った長口舌の一言一句を叔父から繰り返され、叔父が帰った後その言葉を消沈してもう一度繰り返す。

後半もひたすら走るとか刀を振るって戦うだけという単純な話なのに、画面の構図一つ一つが最高。再見だったけど全く退屈せず心底揺さぶられる。
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