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ブギーナイツのもすのレビュー・感想・評価

ブギーナイツ(1997年製作の映画)
4.5
60年代から80年代にかけてのアメリカのポルノ業界を描いた群像劇。
いろいろなキャラクターがでてくるけど個人的には無邪気でおバカキャラのポルノ女優のローラーガールがよかった。
若い頃は自分の性的な魅力や、若さを切り売りして楽しく生きていければいいと思っていたローラーガールが、歳をとってきて、教養や家庭など歳相応の幸せを得ようとして苦悩する様子が切なかった。
あとは主人公に片想いするスコティという不器用で肥満体型のゲイが、酔った勢いで思いを打ち明けて後悔してひとりで泣いてるシーンがよかった。同性愛に限らず、好意を告げただけで迷惑がられるのは残酷なことだと思う。
アメリカのポルノ業界というと自分には全く関連性のない遠い世界の話かと思って面白半分で見たが、それぞれのキャラクターの心情は自分の人生の中で思い当たるところがあって、思わず感情移入してしまった。音楽やカメラワークも監督のセンスが光っていてよかった。
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