観たい観たいと思いつつも、時間が長いのがしんどくて敬遠してたんだけど、遂に意を決して観てみたら、これがものすごい傑作だった。ホント観てよかった。
もう冒頭からすごい。ワンカット長回しでいきなり登場人物を一気に見せちゃうわ、それだけでなんとなくのキャラクターが伝わるわ、音楽はバッチリだわ、「あぁ、これは面白い作品だな」と完全に心を掴まれた。
そこからも、とにかく音楽は最高だし、あれだけの登場人物がいながらも、見事に全員のキャラクターが立ってるし、カット割りやらカメラアングルやら編集効果やら映像がオシャレでかっこいいし、かと思えばめちゃくちゃ笑えるし、70年代後半から80年代前半には生まれてないし、ましてやその時代のLAの雰囲気なんて知るはずもない自分が何故かリアルだと感じてしまうような時代の描き方まで、全てがものすごいクオリティ。そもそも設定がポルノ業界の話っての自体がやばいし、元ネタを全く知らないようなオマージュなんかも相当あるんじゃないかと思う。
役者陣もそれぞれのキャラクターを見事に演じてたし、単純に知ってる人がいっぱい出て来てそれだけでも楽しい。特に、フィリップ・シーモア・ホフマンがホントに最高だった。あと、クライマックスに出てくるあの金持ちのやつ。ダーク・ディグラーとかローラーガールとかネーミングセンスも最高。
ストーリー的にも、バカ騒ぎから一転、暗い展開になって、どうやって終わるのかと思ったら、またあの金持ちのやつのところであんな盛り上がり方するとか、ちょっとあまりに予想外すぎて面喰らった。爆竹バンバン鳴らしまくるとか意味分かんないけど、その意味分かんなさもあのくだりの緊迫感に拍車をかけてるし、ホントにあの展開はすごすぎた。
ラストも映画史に残る衝撃的な終わり方だった。あんなんずるいわ。
どうやらあれは偽物らしいけど。
よくを言えば、ダークは両親となんらかの決着はつけてほしかったかなぁ。
あと、すごいどうでもいいっちゃどうでもいいんだけど、リトル・ビルが新年のカウントダウン前にアレするシーンで、車からアレを取った後に、ちゃんと車の鍵を閉めたところがすごく印象的。普段から映画を観ていて、車の鍵をみんな閉めなさすぎだろって思ってたから、なんかそういうところまでちゃんとしてくれるのがすごくよかった。