調伏系V魔虚羅

ブギーナイツの調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

ブギーナイツ(1997年製作の映画)
4.0
本作は1988年のポール・トーマス・アンダーソン監督・脚本の短編映画『The Dirk Diggler Story』を長編に作り直したものである。1970年代末から1980年代にかけてのポルノ業界の光と影にスポットライトを当てた作品で、公開当時は一部で内幕モノで特に監督と主演俳優の確執、特に主役のエゴを描いた事から、フランソワ・トリュフォーの『アメリカの夜』を思わせる内容だとして“ポルノ業界版「アメリカの夜」”と称された。

70年代を舞台に一人の青年のポルノ映画業界での成功、そして凋落の一途を辿ることになる人生を描く。
苦労して登り詰めた頂の景色の先に待つのは、下り坂でただ堕ちていくだけの未来。そんな紆余曲折がありつつも人はやり直せるという普遍的なメッセージを突然なバイオレンスと様々な私情入り乱れる人間模様の中に感じた。
調伏系V魔虚羅

調伏系V魔虚羅