歌舞伎町の自称“医者”である大倉は、莫大な報酬で組織に雇われ、北の別荘で工藤という男の身の回りの世話をすることになる。
工藤は酒もたばこもやらず、愛用のナイフを身から離さず、ストイックに身体を鍛え上げる毎日。
そんな二人の生活の中に、組織はコンピューターから抽出された女、梢を送り込む。
奇妙な3人の生活が始まるが、工藤の目的が次第に明らかになり・・・
もっと面白くなってもいいんだけどね。
謎のミッションを黙々とこなす主人公沢田研二に、もっと狂気が欲しかったかな。
身体を鍛え上げるシーンなどは、『タクシー・ドライバー』でデ・ニーロが演じたトラビスみたいだ。
血圧を測るシーンなど、とてももったいぶっていたから、何か後半の重要なキーになるんじゃないかと思っていたら・・・ねえ。
海水浴場で出会う二人組の女性。
この二人も結局何だったんだ?
当初、この作品の映画化権は、亡くなった内田裕也が持っていたらしいんだけど、彼がやった方が作品の性格に合っていたんじゃないかな。
主人公の生い立ちをもっと掘り下げてほしかったし、展開があいまいなので、クライマックスのどんでん返しも肩透かし。
森田監督、技に溺れたね。
女に全く興味がない素振りをして、急に『女を抱かせてください』だから笑える。
主人公の設定がブレブレなんですよ。
僕なら主人公をインポテンツの設定にしますけどね。
そうすれば謎の女、梢との関係もスッキリする。
唐突に訪れるラストは、一応インパクトあり。