会話シーンの長回しでサンドリーヌ・ボネール演じる主人公の表情の機微や変化を捉えてるのが素晴らしかった。とあるキッカケで主人公が悲しみにくれて雨の街角を歩くシーン、水滴が付いたバス停のガラス越しのショットがとても美しい。主演のサンドリーヌ・ボネールは手足が長く、とてもカメラ映えする身体を持っていて、特にタイトルバックの船の船首に立つ後ろ姿やどこまでも続く道路を歩く後ろ姿が美しかった。会話シーンで人物の切り返しのショットの大きさを変えていたりと、あくまでセリフではなく映像的に人物の関係性を表現しているのも良い。