2時間後のていら

泳ぐひとの2時間後のていらのレビュー・感想・評価

泳ぐひと(1968年製作の映画)
3.8
人ん家のプールを泳ぎ繋いで家まで帰ろう!とよくわからんチャレンジを思い付いちゃった男が、8つのプールを訪れる。
ははーん、これは走馬灯的なアレだなと見ていたけど、それよりずっとキツい映画だった。

主人公が何をしている人で、どういう状況にあるのかはハッキリ説明されないんだけど、周りの人達の会話から察せる描き方が良い。
次第にプールを訪れる度に周りの態度が冷淡なものになり、彼がとんだ勘違い野郎だという事が徐々に明らかになっていく。
海パン一丁のおじさんが怒られ、バカにされる画ヅラはなんとも居た堪れない気持ちになる。
あんなにやる気満々だったのに、後半ずっとぶるっぶる震えて寒がるおじさん…
車がびゅんびゅん走る道路上手く渡れず右往左往するおじさん…

設定上常にパンイチなんだけど、最初キラキラした撮り方なのが、どんどん老けて、周りから浮いてるように見える撮り方になっていくのが映画的で面白かった。

「自分はいつまでも若く元気でモテモテ」
と信じてやまないおじさん方に是非見てほしい。
もちろん自分自身も、客観的に見つめる事を心がけねば…と自己反省させられました(笑)