泳ぐひとの作品情報・感想・評価

「泳ぐひと」に投稿された感想・評価

蹂躙

蹂躙の感想・評価

3.5
主人公の素性がわかっていくのが面白かった

でも「金持ちの裏を描く」以上のものがないから古臭いかな..
森から海パン一丁で男が出てくる。彼が高級住宅街のプールを伝って、家まで帰ろうとする話。

ここまで古い時代の映画は普段あまり見ないのですが、風変わりなあらすじに惹きつけられて鑑賞。結果驚愕しました。

この男は何者なのか。
家を渡り歩いていくにつれて歓迎ムードから他人行儀になっていく住人たちと接していく中で、サスペンス調に徐々に明らかになっていく感じが良かったです。

映画が進むにつれて様々な変化が見て取れて妙な雰囲気がありました。

画面や光の感じがだんだんと暗くなっていたのはとても効果的でした。心なしか終盤の家のプールの透明度も下がっていたような気さえしました。
町山さんの解説でも触れていたけど、主役のパートランカスターが最初はとても若々しかったのに、終盤疲れきっていて一気に年相応まで老けて見えたなぁ。

なんにせよ、今から50年以上も前にこんなシュールな恐怖を描いた作品が作られていたことに驚きですね。

世にも奇妙な物語とか好きな人は気にいるかもしれませんか、あまり面白くはなかったかな。
RYUYA

RYUYAの感想・評価

4.0
パンいち姿でブルジョワの友人邸に現れた中年ナイスガイは、「あの山の向こうの自宅まで、友だちんちに寄ってその都度必ずプールで泳いで帰る」という謎に満ちた宣言をかまし、よ〜いドン。
ルール通り、ナイスガイは手ぶらパンいちで森を駆け抜け、次々と邸宅を訪問しひと泳ぎしてゆくが、家に近づくにつれ友人宅も貧相になってゆき、人々も塩対応になってゆき、徐々にその理由と男の現実が明らかになってゆく...

「こいつずっと何やってんの?」と引いて観ていると、映画丸ごと使って暗喩していたアメリカの影に感づき、コワくなる。
主人公だけずっと‘‘裸”。
そこがポイント。

貧しいロマンチストを冷笑する素晴らしきトリッキー映画。

ナイスガイが美少女とただただ遊ぶ3分間くらいずっとスローモーションのシーンはただただイカれてた。
町山さん解説納得

たしかにレボリューショナリーロードやマッドメンの排他的な雰囲気が…
tsura

tsuraの感想・評価

3.9
海パン姿で颯爽と現れる中年。

しかし年齢を思わせない若々しさ。

彼は自宅迄にある知り合いの家に構えるプールを一つずつ制覇しながら家路に着くというなんとも仰天で子供ぽい発想で帰ろうとする話である。

これだけ聞いたら…は笑?
である。

アメリカン・ドリームの腐敗をこの時代にこんなにショッキングに見せる作品があった事に驚く。

町山さんの解説があって漸く作品の奥底に突き刺さるテーマに触れた気がする。

という事はどういう事かと言うと…まあわかりづらい笑

難解というわけではないけれど、なんというか設定は滅茶苦茶で奇天烈で凄く抽象的な作品。


でも昔はこんな設定でも大真面目に突き通すから作品のパワーは凄い。


町山さんの解説にもあったが監督は入念にリサーチを行いこの当時の広告代理店やその業界で成功を収めたセレブの闇や影と同居する傲慢さや偏見を自己陶酔に溺れきったナルシスの神話と絡めている。
ナルキッソスがストーリーの軸に据えて主人公を描写しているという点もまた興味深い。


映画の時間軸は一日の流れであるが、冒頭からラストまでの流れは実は彼の人生の転落を辿っているように映る。

だから序盤に描きこまれていた力強さは次第に失っていく。
まるで老いとは違う劣化、斜陽。

若い女の子にフラれ、自分の身の回りで起きたトラブルの話に触れていきながら…小銭すら払えない浮浪者の如きバート・ランカスターもいよいよ荒んだ老いぼれの混乱にしか見えなくなっておりその転落した顛末こそがアメリカの闇そのものであるという紛れも無い衝撃。


これは私の見解だが彼はビジネスに失敗し、全てを失った彼は実は精神を病んでしまったのでは無いだろうか?

彼の転落劇は単なる転落というよりかはサスペンス的なネタばらしによって自分の立ち位置が見えてくる展開はまさに現実と向き合えてない様相とピッタリくる。

もはや泳ぐことに執着するけど…時代にすら置いてけぼりを喰らうクライマックスはあまりにも悲哀。

傑作とは思わないけど…何かしら心には引っかかって仕方がない作品だった。
おっちゃん海パン一丁で何してるん?

家に帰るまでの動線にある他人のプールを泳ぎながら帰る事を思いつくおっちゃん…だからー、何してるん❓

はじめはおっちゃんも肌に艶があってある程度の筋肉質やし若々しく見える。でも話が進むにつれて出会う人の対応も素っ気なくなってくるしおっちゃんもなんか野暮ったくなってくるし周りの景色も色褪せた感じに見えて不穏な雰囲気に。
公営プールではまるでヨゴレみたいに扱われるおっちゃん。
おっちゃん、辛いなぁ〜。おっちゃん、とりあえず家に帰ろ。おっちゃん、頑張れ!
んで、ラスト…。
おっちゃん大丈夫?おっちゃん!?
おっちゃ〜ん‼️

こんなん考えつく原作者の頭の中どーなってるんやろ?

そんで、僕何回おっちゃんって言いました😥❓
町山解説を聞いた上で評価します。

主人公の背景は理解したが、

どんな流れであの冒頭になるんだ?

説明がなさすぎるよ
海パン一丁の筋肉隆々の男がプールを泳ぐ。それなら普通なのだが、知り合いの家を訪れプール泳ぎ、それをハシゴして自宅まで泳いで帰るのだ。これ程、奇妙な話もそうは無いね。かなり奇天烈な作品だ。
最初は、知り合いも優しいが、徐々に会う人が刺々しくなっていき辛くなってくる。その言葉の端々に主人公が置かれているであろう境遇が伝わって行く。そして最後は....。
精神を壊した男の話なのかそれとも不遇な扱いを受けた怪作『マザー』様に聖書のエピソードを模したものなのか。
1968年の解釈が難しい作品だ。
主演のバート・ランカスターは、相変わらずサーカスで鍛えた体が素晴らしい。主人公がパンツ一丁で演じ切る映画も珍しいよね。
Mayano

Mayanoの感想・評価

4.0
コーラを飲んで、お酒を飲んで、泳いで家に帰ろうとする、おじさん。最初笑ってたけど、途中から地獄みたいだったな。ギンガムチェックの水着は可愛いけど、女の子はタイプじゃない。途中、多重露光みたいなシーンは好き。
長年気になってた1本をやっと観れた。どこからともなく海パン一丁で現れ、プールを泳いで家まで帰ろうとする男。彼はどこから来てどこへ向かうのか、行き着く先には何が待っているのか。年より若々しく逞しい身体を持つハンサムなバート・ランカスターだが、既に遠くを見つめる目が虚ろに病んでいる。プールからプールまでの間をつなぐ大仰なオーケストラ音楽、きらめく光を捉えたソフトフォーカスも、わざとらしいほどロマンティック。だが、順に訪ねる裕福で享楽的な友人知人たち、若い女の子、孤独な少年、浮気相手らと彼の関係は徐々に不穏さを増し、本質が徐々に暴かれていく。一種の不条理劇だけど、殆どホラー。あんなに輝いてた緑、美しい音楽が最後にドラマティックに反転する。森の中を駆けるカメラのスピードが異常に速く、高所からの視点もちょっと不気味。当時ニューシネマの中でも大真面目に映画化したのが面白い「ロード/プールムービー」。
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