Atsuhito

八日目の蝉のAtsuhitoのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.6
悲惨な過去を持った自分が子供に愛情を注いで育ててあげられるはずがないという思いの主人公が、記者の友人との出会いをきっかけに過去を追い忘れていた幼少期の記憶を探るうち、自分が母に美しい景色を見せてもらった「八日目の蝉」であったことを知る。そうして彼女は自らの過去が悲しいものでは無かったと悟ることができ、自らの子供にも美しい景色を見せてあげたいという決心をかためることができる。

親の心子知らず、じゃないけど、幼少期の記憶が大人になるとあまり残っていないことってなんて切ないことなんだろうと思った。

立場上常識上、悪いのは希和子になるんだろうけど、あの生みの両親ではまるでダメだったろう。。ヒステリックだし、あんな嵐の中赤ん坊をひとり家に残していくなんて捨てていったようなものだ。主人公からすれば、良い経験をさせてもらった愛情を注いでもらったのは希和子ということになって、そうして自分が「美しい景色を見せてもらった八日目の蝉」であったことを知れたからこそ、また自分の子供という新たな「八日目の蝉」に、美しい景色を見せてやろう美味しいものを食べさせてやろうという強い気持ちが湧いたという点では、希和子は悪者ではないということになる。

こみあげてくるものがあったなぁ。ちょっと再会して欲しかった。あと写真ってすごいなぁって思った。
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