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八日目の蝉のyadokariのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.1
浮気相手の赤子を誘拐して育て、3歳で捕まるという泣きのストーリー。蝉のように泣けっていう感じで、こういう後味悪い幼子との別離をテーマに進んでいくのなら駄目な映画なんだけど、もう一方に蛹から蝉として抜け出していくという再生のテーマがあるんだ。小池栄子が思ったよりいい。

写真館で撮った写真が抜け殻なんだろうね。刑期を終えてその抜け殻を取りに戻った永作博美の姿はない。抜け殻を見た井上真央が走り出すのはいいけど、小池栄子はどうなるのかな。そっちが心配だ。八日目になってもまだ蛹のままだった、ってなことにならなければいいが。

映画版に引き続き、NHKのドラマ版も後半4.5回だけ観た。やっぱドラマ先に観た人はドラマがいいと言うよな。壇れいの方が軽い感じで、こんなんでいいのかと。むしろ後先考えず犯罪をやってしまったのならこのぐらいの人がいいのかも。

岸谷五朗との恋愛話は映画版にはなかった。まあドラマ6回分だからそれなりにサイドストーリーが必要なんだろうけど。原作にもあるのか?ちょっと余計な感じがする。エンジェルで助けてくれた女も帰ってくるし。いろいろ話が混線していく。テーマである蝉の話は母と子の会話だった。子供が賢すぎだろ。

ドラマ版込みの感想になったけど、小豆島という場所もいいんだよな。日本のクライム・サスペンスの傑作だと思う。

テレビ版のほうが面白いのは四国のお遍路さんの願掛けをしているシーンかな。ちょっとした観光案内になっているのか。あと「天使の道」とか島が陸が引き潮で繋がるところとか。そういう見所は満載かもしれない。写真館のオヤジがおヒョイさん。映画のオヤジ(田中泯)は怖すぎ。
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