yadokariさんの映画レビュー・感想・評価

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青い山/本当らしくない本当の話(1984年製作の映画)

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ジョージアになる前のグルジア共和国(もう名前も出てこない)時代の映画で崩壊していく出版社(政府機関かと思った)を描くカフカ『訴訟』的な映画。なかなか意思決定ができないまま、新人作家は作品を出版して欲し>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

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けっこう評価が高いのは懐かしさだろうか?「セプテンバー」という八十年代ポップスのディスコティックな曲で踊るロボットと犬。絵のタッチも最近の日本アニメじゃなくて漫画というような懐かしさのようなもの。アメ>>続きを読む

ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

自閉症の少年が父親とドイツ中のサッカースタジアムを巡る中で理解し合う親子愛ものか。あまりべたべたしてないのがいいと思った。サッカー場の熱気が伝わってくる映画でサポーター気分が味わえる。これ日本でリメイ>>続きを読む

金の糸(2019年製作の映画)

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以前観た映画で感想がnoteにあった。
https://note.com/aoyadokari/n/n4d9bb1c2d1f4

ただ付け加えるとすれば、ヒロインの作家が書いている本は、先日観た映画『
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ウジュムリ(1934年製作の映画)

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ラナ・ゴゴベリゼ監督の母ヌツァ・ゴゴベリゼ監督のソ連に粛清される原因となった映画。デビュー作の『ブバ』がソ連のプロパガンダ映画の内容に対して、こちらは環境破壊映画か?自然だけではなく人も破壊していく映>>続きを読む

母と娘 - 完全な夜はない(2023年製作の映画)

4.0

副題はエリュアールの詩で「明けない夜はない」というような意味でスターリン時代にソ連の最初の女性監督というヌツァ・ゴゴベリゼは長編劇映画完成後に粛清にあって流刑、父は死刑、友人の詩人も自殺。

その家に
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ゴンドラ(2023年製作の映画)

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シチュエーション・コメディで短編映画でも良かったか。予告編以上のものはないのだが、映画としては実験的で面白かった。ただくり返さるシーンに飽きてしまう。ゴンドラの下で住民が音楽を演奏するシーンとかファン>>続きを読む

劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)

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情報量が多くて疲れる。そのわりにはストーリーは大したことがない。

ジョイランド わたしの願い(2022年製作の映画)

3.5

パキスタン映画は以前ラホールの音楽映画を見てインド映画とは違ったシリアスさがあったと思ったがこの映画もトランスジェンダーやパキスタン社会の家父長制を描いていて面白かった。

トランスジェンダーのダンサ
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雪の轍(2014年製作の映画)

3.6

カンヌ映画祭パルムドール受賞作のトルコの映画。

世界遺産のカッパドキアの洞窟ホテルのオーナーの男は親の遺産もあり美人の若妻もいて何不自由ない暮らしのように思えるが、その内側に入るとところどころ綻びが
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二つの季節しかない村(2023年製作の映画)

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カンヌ映画祭でパルムドールをとった『雪の轍』の監督だった。壮大な三時間を超える作品だが、『雪の轍』よりはわかりやすいのかと。トルコ映画だからなのか民族紛争の最中の国というような(クルド人問題を抱えてい>>続きを読む

ECM レコード―サウンズ&サイレンス(2009年製作の映画)

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ECM好きなんだけどこの映画は現代音楽や民族音楽系が多く内に籠もる感じで疲れた。ジャズのような開放感あるサウンドが少ないんだよな。ジャズはほとんどなかったし、パーカションの女性のプレイが外に向かうよう>>続きを読む

今すぐ購入: 購買意欲はこうして操られる(2024年製作の映画)

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Netflix映画。タイトルはAmazon商戦で購入ボタンのこと。消費者の購買意欲を刺激して次々に商品を買わせるAmazon戦略。そうした結果地球環境は破壊され大量のゴミが出る。それだけではなく発展途>>続きを読む

AMY エイミー(2015年製作の映画)

3.7

今公開されている映画よりこっちのほうがエイミーについて詳しく知れると思う。彼女の音楽もいい。

Back to Black エイミーのすべて(2024年製作の映画)

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あまり似てないような気がして退屈してしまった。歌とかケバい化粧とかそれなりに見られるのだが、最初の違和感を最後まで引きずってしまった感じだ。あとドキュメンタリーで見たエイミーの魅力が感じられなかった。>>続きを読む

紙の月(2014年製作の映画)

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前半は宮沢りえがヒロインだったからどうにか見続けられたような。それもパッとしない貧相な派遣主婦が若いツバメとの欲望の為に横領する。これ男だったら腹立つだけだ。池松壮亮もそれほどイケメンというほどでもな>>続きを読む

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.6

「ムーミン」の話題があったので気になって観た。トーベ自身はフィンランドでもジェンダー的な人で孤独の中で「ムーミン」を描いたというような話。芸術家の父に認められずに芸術的な絵だけでは食べていけないので新>>続きを読む

HAPPYEND(2024年製作の映画)

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在日の高校生の母が経営する中華屋に「非国民」って書かれるのだった。『HAPPYEND』は近未来の管理システムを導入した高校生の話で、それに反発するグールプ(日本国籍を持たない外国人=でも日本育ち)との>>続きを読む

国境ナイトクルージング(2023年製作の映画)

3.5

中国映画なのだが上海で作られた映画でちょっと北京主体の映画とは違う感じがした。『少年の君』とか『ソウルメイト/七月と安生』で怪演していたチョウ・ドンユウが出演していたので観たいと思ったのだが。行き場の>>続きを読む

十一人の賊軍(2024年製作の映画)

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白石和彌監督作品はけっこう見続けているけど、ちょっと飽きてきたかな。大砲の音とか音楽の臨場感とかはいいと思うのだが、やたらスプラッターなシーンや爆破シーンが多くてちょっと食指気味なのかもしれない。この>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

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京アニの事件がネタになっているのかな。それだとあまりにもご都合主義で綺麗に描きすぎだと思うが。実際に当事者がいたならその気持はわからないではないが。こういうファンタジーがアニメにはあるのでリアリティな>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

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ダーク・ファンタジーの傑作なんじゃないか。『美女と野獣』が『野獣と野獣』になったぐらいで。トロルだから森の精なわけで。ネアンデルタール人みたいだったけど。染色体の異常(人間と比較すれば)で、特異体質で>>続きを読む

動物界(2023年製作の映画)

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人が動物になる奇病に襲われる話。以前『ボーダー二つの世界』という人が原人(ネアンデルタール人)になる映画を見たがちょっと似ているのかもしれない。境界の話でどこまでが動物で、家族は動物ではなく家族と思う>>続きを読む

ロール・ザ・ドラム!(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ブラス・バンドの民族紛争は面白いと思ったのだけど。親子関係や過去の三角関係などいろいろ盛り込みすぎて、ストーリーがいまいちわかりにくい。
保守的なナショナリズムのブラス・バンドの指揮者にライバルの多国
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

普通に戦場カメラマンの戦争映画だった。ただそれがアメリカ国内というのが問題作っぽくしているが。戦場カメラマン(ウーマンか)に憧れる覗き趣味的に名前を上げたい女子が戦場を体験して一人前のカメラマンになっ>>続きを読む

最愛の子(2014年製作の映画)

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中国の幼児誘拐の映画なのだが、テーマが途中から親子愛になっていて『八日目の蝉』だった。まあ、『八日目の蝉』が好きな人はどうぞ。

闇の子供たち(2008年製作の映画)

3.6

『サウンド・オブ・フリーダム』を観て思い出したのだが、日本では臓器移植という問題も絡んでくる映画が作られていたのだ。その構図は豊かな国が発展途上の国の未来を摘み取っている構造になる。東南アジアの住民が>>続きを読む

サウンド・オブ・フリーダム(2023年製作の映画)

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映画そのものは良かったんだが、ラストのメッセージが興醒めだった。映画そのものを楽しみたいのに、メディア(情報)のように使われている。そういうもんじゃないだろうと思うのだ。そんなのはTVニュースでやって>>続きを読む

ブロンド(2022年製作の映画)

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けっこうシビアなマリリン・モンローのドラマ。ノーマ・ジーンと言った方がいいかもしれない。スターになるために犠牲にしてきたものじゃなかった、最初から犠牲にならざる得ない運命だったのかも。個人の病理は家族>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.5

話題の映画『侍タイムトリッパー』を観た。前から観たいと思っていたのだが、上映館が増えたというニュースにあり、近場のシネコンでも上映されていた。人から人へ情報の伝わり方は『カメラを止めるな!』に似ている>>続きを読む

ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?(2023年製作の映画)

3.0

ブラッド・スウェット&ティアーズはジャズ・ロックなバンドなんだが、そこのトランペットにルー・ソロフがいたという。ロックには詳しくないので、このバンドはよく知らなかった。

日本のTVでも楽曲が流されて
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.0

三部作として、第一部は半分寝ていた。第二部は傑作か?となって、第三部で長過ぎる。第二部のネコ娘が見どころだった。彼女が出てきてから眠気も飛んだ。猫いらずで死んでしまうのだけど悲劇のカタルシスがあったと>>続きを読む

太陽の少年 4Kレストア完全版(1994年製作の映画)

3.5

文化大革命というと紅衛兵が右傾化した民衆を吊し上げるという政治色が強い時代なのだが、そんな時代でもいつの時代とも変わらぬ青春時代があったという映画。私小説映画という感じで途中でこれはぼくのフィクション>>続きを読む

西湖畔(せいこはん)に生きる(2023年製作の映画)

3.5

前作『春江水暖 しゅんこうすいだん』を見ていたが全然内容を覚えてなかった。前作が巻一でこの映画が巻二ということで中国の山水画を映像化したような広大な中国の風景から近代化された中国の暗部に踏み込んでいく>>続きを読む