yadokariさんの映画レビュー・感想・評価

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絶望の日 デジタル・リマスター版(1992年製作の映画)

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「オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集」から四本目である。やはり『アブラハム峽谷』とか見ると強烈なヨーロッパの美意識を感じる。

音楽にはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ
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でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男(2025年製作の映画)

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タイトルがネタバレだった。原作がそうなのかと思ったら、原作はそこまで明らかにしてなかった。芥川『藪の中』に比較されるが、そこまでは面白くない。裁判ものの映画なんだが、結末が分かってしまう時点で駄目だろ>>続きを読む

季節はこのまま(2024年製作の映画)

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勘違いしていたのは、「オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集」でてっきりオリヴェイラ監督だと思ったら、オリヴィエ監督だった。没後10年なのにコロナ禍はないよな。

兄が映画監
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ドールハウス(2025年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

女子高生が多い映画でした。普通にホラーかな。音で脅かすのはサブスタンスのようだった。基本Jホラー系なのか。リングとか監督が矢口史靖で『学校の怪談』の人だった。洗濯機の中から出てくるのが今風なのかな。井>>続きを読む

ドルチェ 優しく(1999年製作の映画)

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同じソクーロフの作品だがこっちは神憑り的な映画。島尾敏雄の妻で『死の棘』のモデルになった島尾ミホが巫女のように騙る母の死、島尾との出会い、娘マホの事。喪服で姿を現してカメラが写しだす姿は憑かれた語り部>>続きを読む

海辺の生と死(2017年製作の映画)

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今ひとつ乗れなかった。期待値が高すぎたのか、満島ひかりはそれほどでもなかった。なんか勿体つけているようで弾けていない。ストーリーも島尾敏雄の「死の棘」よりになったのかな。もっと奄美の自然と人間を最初に>>続きを読む

女性ゲリラ、フアナの闘い ーボリビア独立秘史ー(2016年製作の映画)

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ウカマウ集団 60年の全軌跡」という特集上映。「ウカマウ映画の五原則」が気に入ってしまい観に行った。ゴダールじゃないかと思ってしまった。

ウカマウ映画の五原則 〔ホルヘ・サンヒネス監督〕第一:アンデ
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ただ、愛を選ぶこと(2024年製作の映画)

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泣かせる映画と泣いてしまう映画があるが今日のはドキュメンタリーだけあって泣いてしまう映画だった。ありきたりのストーリーで恋人が死ぬとかで泣かせる映画は腹が立つけど(邦画の予告編でただ泣けばいいという映>>続きを読む

ロスト・チルドレン 4Kレストア版(1996年製作の映画)

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フランス映画特集のリバイバル。

カルト映画の部類になるのか?『フランケンシュタイン』のパロディ的なダーク・ファンタジーだが、サーカス的な見世物小屋感の近未来的SF映画という感じだろうか。デヴィッド・
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秋が来るとき(2024年製作の映画)

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フランソワ・オゾンだけあって脚本はいい。結論的には賛成出来ないのは、女性は母に厳しいのか?孫息子のためなら、祖母は正直に語るべきだと思った。語ったところで息子の悲しみは癒えないと思うが、悪循環からは断>>続きを読む

トレンケ・ラウケン Part2(2022年製作の映画)

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先日見たワン・ビン『青春』が前後編で1500円だったのに、この映画は特別料金で前半一本1500円で二本分なので3000円は高いとおもってしまった。

謎解きミステリーなのだが、エヴァンゲリオン的で謎っ
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クィア/QUEER(2024年製作の映画)

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「クィア」は女装趣味のゲイだと思っていた。『バトラー入門』で、身体よりも精神が女を演じるという感じで「ジェンダー・トラブル」というような。精神世界に行くのはそんなところからなのか?女装趣味というわけで>>続きを読む

オステンデ(2011年製作の映画)

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避暑地に行くヒロインのドラマなんだが途中で寝てしまったらヒロインも消えて波の音だけだった。どうなったんだ?

ロザリー(2023年製作の映画)

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クロノスフキー『ディアーナの水浴』がモチーフとしてあり、美学的映画。
ディアーナ〈ダイアナ〉はローマ神話の狩猟の女神で狩りをしていたアクタイオーンがディアーナの水浴を覗き見てしまったことから、鹿に変え
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黒い瞳 4K修復ロングバージョン(1987年製作の映画)

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チェーホフ『犬を連れた奥さん』は読んだと思ったがまったくストーリーが思い出せなかった。むしろマルチェロ・マストロヤンニに主演だけに『ひまわり』の印象がオーバラップして、イタリア人妻がソフィア・ローレン>>続きを読む

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

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何と言ってもこの映画の凄さと言ったら影の使い方とか役者の怖さとか。素晴らしい作品。ホラー映画のお手本。

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

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クラウス・キンスキーの怪演とイザベル・アジャーニの美しさ。それらとドイツ表現主義の作品に対するヘルツォーク監督のリスペクトかな。

ノスフェラトゥ(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画初期に撮られたドイツ表現主義のF・W・ムルナウ『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)はモノクロで影の使い方が凄いのだが、この映画でもそれは踏まえていた。数々あるホラー映画をよく研究している監督のゴシ>>続きを読む

青春 -苦-(2024年製作の映画)

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先に『青春-帰-』を観てしまい、最後は春節と故郷に帰って結婚式とかハッピーエンドすぎると思っていたのだが、この『青春-苦-』との繋がりで見ると感動するエンディングのようだった。この作品も前編は苦なのだ>>続きを読む

リー・ミラー 彼⼥の瞳が映す世界(2023年製作の映画)

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プロデューサーにも絡んで主演女優なのだが、シュールレアリスムの報道写真家リー・ミラー演じるケイト・ウィンスレットと『サブスタンス』のゾンビばあば演じるデミ・ムーアの差が出た。ケイト・ウィンスレットの演>>続きを読む

青の稲妻(2002年製作の映画)

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青春時代を大同で送る三人の若者(ドリカム関係か)。しかし鄧小平の経済社会は若者まで回ってこないで、行き詰まりの生活。その中で歌われるのが、中国のチャゲ&アスのような男性歌手二人組が歌う「任逍遥」(中国>>続きを読む

新世紀ロマンティクス(2024年製作の映画)

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2001年からの中国の変貌ぶりを男女の愛を通して見せる。ジャ・ジャンクー監督の過去作を編集して新しく現在の北京(2022年だからコロナ禍の時期)の驚くべき経済発展した都市の中で年取って杖であるく老人と>>続きを読む

青春 -帰-(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『青春-春-』を観て感動したので、『青春-苦-』を飛ばして(4時間近くあるから)『青春-帰-』を観たのだが、期待が大きすぎたのか、やっぱ途中飛ばして観たせいなのか、もうひとつ感動できなかったのは、結婚>>続きを読む

ガール・ウィズ・ニードル(2024年製作の映画)

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戦後の混乱期にあった嬰児殺しの事件。なかなか刺激的な映画だ。社会悪なのだが、その犯人をなかなか非難出来ない世間だと思うのだが、このヒロインは非難出来るのか。でも共犯者なのか?戦争帰りの夫がエレファント>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

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新作を見るのか悩ましいのだが、それまでのシリーズものを続けてみているうちにどれがどれだかわからなくなる。だいたいどれも似た内容なのか。1でその面白さが全て出ている感じで、3が良かったかな。後はパターン>>続きを読む

It’s Not Me イッツ・ノット・ミー(2024年製作の映画)

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レオス・カラックスでも思うように行かないので忸怩たる思いがあるのだろう。世界の絶望と老いかな。走ったり回ったりダンスしたり飛び込んだりするのが過去のカラックスなんだと思うのだが、それが出来ない苛立ちが>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

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『ミッション・インポッシブル5』。IMF(Impossible Mission Force)不可能作戦部隊)はCIAの下部組織なのだが、勝手な行動をするので解散させられそうになるのだが、前回活躍した仲>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

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鎌倉に行ってなんとなく思い出した小津映画(『東京物語』とごっちゃになっていたが、紀子三部作なんで)。その原節子演じる紀子三部作の一作目だった(二作目でした。『晩春』『麦秋』『東京物語』の順)。『東京物>>続きを読む

メイデン(2022年製作の映画)

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高校生の悩みというような映画なんだが、そんなの誰にもあるだろうと思ってしまった。親友が死んだのはショックだろうけど。似たような映画でラストに無差別殺人が起きるのかと思ったが、そうではなかった。最後まで>>続きを読む

ロックの礎を築いた男 レッド・ベリー ビートルズとボブ・ディランの原点(2021年製作の映画)

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ロック以前のブルースからフォーク時代の大御所なんだが生き方がロックなのか。人殺しで刑務所時代を経て歌手になったとか今週の「ウィークエンドサンシャイン」で特集が組まれていたので早速見に行った。ジャニスの>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

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これが4なのか?定番のシリーズ化だけど安心して楽しめる。仲間の信頼と死とかエンタメ王道のストーリーだけど、必殺技(スパイダーマンみたいな)と女性キャラか。今回はキャットファイトもあったので面白かった。>>続きを読む

カニバイシュ デジタル・リマスター版(1988年製作の映画)

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オペラだから観る人を選ぶと思う。貴族趣味的なものが好きな人は面白いのかもしれないが、けっこうアイロニー的な作品でもある。題名の「カニバイシュ」が「カニバリズム」と「それの愛好家」みたいな題名だから、そ>>続きを読む

ファウスト(2011年製作の映画)

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三回目にしてやっと終わりまで観た。原作とストーリーが違う。大筋は、同じなんだけど。ファウスト博士がマッドサイエンティストになっている。メフィストフェレスよりも悪魔的な。喜劇なのかな。グロテスクな映画>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

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Filmarksで4.5の高得点でこれは観に行かなければと思ったのだが、なんかホラーポルノで後半はスプラッター映画なので見る人を選ぶと思う。シニア世代は見てはいけない映画だ。欲求不満が溜まる。なんで年>>続きを読む

破戒(2022年製作の映画)

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島崎藤村『破戒』はドストエフスキイ『罪と罰』を翻案したものなのだというのだが、ラスコーリニコフが罪という個人的なものに対して丑松は身分制度という社会悪にしているのが特徴で、告白するのも自分が犯した罪で>>続きを読む