蝉は生まれてから7日間しか生きれない。
でも、8日目まで生き残った蝉がいたら、
その子はかわいそうだよね。
仲間はみんな、死んでるだもん。
不倫相手の赤ちゃんを誘拐して、4年間自分の子として育てた希和子。
育ての母と同じように、自身も不倫相手の子どもを身籠もった恵理菜。
八日目の蝉のように、
特殊な環境で孤独に生きることになった希和子と恵理菜のそれぞれの孤独。
母親が、娘が、居なくなって、
蝉の抜け殻のように空っぽになっても、
そこには確かに愛情があったんだなって。
記憶や思い出の其処彼処に、
いっぱい詰まってたんだなって思います。
「前に 『八日目の蟬はかわいそう』って話したけど、実は違うかもしれない。だって、他のみんなは八日目の景色を見れずに死んじゃうけど、八日目の蟬が見る景色は、すごく綺麗で素敵なものかもしれないでしょ?」
母親の愛情は、娘にちゃんと届いていて、
恵理菜にとって、小豆島での生活は、
八日目の景色が詰まった生活だったんだと思います。
八日目の蝉が見る景色は、
決して孤独なんかじゃなくて、
きっと希望なんだと思います。
「その子は、まだご飯を食べていません。
よろしくお願いします」
誰よりも、何よりも、娘を想う母親の愛情に、涙が止まりません。