エリーン

イレイザーヘッドのエリーンのレビュー・感想・評価

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)
4.9
やばない?
デヴィッドリンチ悪名高き傑作処女作。
特殊効果や美術まで全部自分ということで、シロクロの中でキレのある美しさを放つ全ての造形センスの素晴らしさが特に光っていた。不本意に子供を持つことになったリンチ自身の不安の記憶を投影した、ある人々にとっては共感をもたらしてしまう恐ろしいユニバーサルな感覚をも持っている映画。
街並みのイレイザーヘッド感が素晴らしい。特に元カノの家の真横の蒸気が飛び出してくる謎の通風口の退廃的な雰囲気が素晴らしい。家の中に当然のようにいる藁かゴミ?の存在感も大きい。
赤子の描写もやばければ、コブ女もアブナイし、元カノとその家族と動く小さなターキーもキケン。
とんでもない映画を作ったものだ。
この熱量を一作目から見せつけられると、映画の意味が全く分からない人でも手放しでありがたがらなければいけないような、それくらいの力がある。
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