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ウィンターズ・ボーンのhorryのレビュー・感想・評価

ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)
5.0
「ハンガー・ゲーム」が面白かったので、ジェニファー・ローレンス繋がりで見る。今作も(こっちの方が制作は早いのだけど)若く勇敢で頭のよい、田舎の少女役。そして貧困層だ。

舞台はミズーリ州。「スリー・ビルボード」の舞台でもある。
貧しく、古びた価値観がはびこる町で、暴力が人々を支配する。
薬や暴力が日常となり、そこから抜けるには軍隊に入るほかない。

「スリー・ビルボード」のエンディングでは、行き止まりのような町で生きる人も変化する希望が示されていたけれど、「ウインターズ・ボーン」では、そのような希望は儚く見える。
あの町で、17歳の少女が幼い弟と妹を抱え、どうすれば生きていけるのか。
なんとも、やりきれない。

面白かったのが、「ウインターズ・ボーン」では、女性のつながりがとても豊かに描かれている点。
リーに暴力をふるい、男たちのしきたりを体現する女性たちまで、女性間のつながりで行動していた。

都会の人々からバカにされる、田舎の白人貧困層。銃、麻薬、暴力(これは「ウインド・リバー」でも同じ)が彼らを支配していることが繰り返しテーマとなっていることは、とても大切なことだと思う。
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