ウィンターズ・ボーンの作品情報・感想・評価

「ウィンターズ・ボーン」に投稿された感想・評価

GreenT

GreenTの感想・評価

4.5
田舎者で貧しく学がないと言われているヒルビリーの閉鎖的なソサエティで起こった犯罪と、ひどい生活を暴く映画かと思いきや、意外にもこれはこの土地に対する賛歌なのだと思った。原作者のダニエル・ウッドレルは、この映画の舞台となったミズーリ州のオザークという高原地帯を背景とした小説ばかり書いているらしい。ヒルビリーは、自分で銃をとり、リスを殺して毛皮を剥いて食べるが、数匹のリスを獲るのに長い間じっと座って待っているというプロセスがあり、大量に殺せる訳ではないので、これはもう、「共存」だと思う。そして、狭く閉鎖的なソサエティではあるが、都会でたくさんの人と出会っても、ネットで世界中の人と交流しても、それで私たちは幸せになったんだろうか?私たちは「生活が豊かである」ということを、何か勘違いしているのではないか、と思わされた。もちろん、私は現代文明にどっぷり浸かっているので、今さらこういう生活できるとは思わないが、非常にノスタルジックな思いにさせられる、ほとんど憧れに近い思いにさせられた。
Hiratatsu

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3.5
ミズーリ州の田舎を舞台に、どうしようもない現実の中で逞しく生きるジェニファーローレンスがかっこいい。
★ 無骨な枯れ木 薄墨の太陽
  その世界はあまりにも過酷で終わらない

とても寒々しい作品でした。
あまりにも冷え冷えとしているので呼吸困難に陥りそうなほど。暖かい部屋で観ている筈なのに、手足はじんと痺れ、頭の奥が鈍器で抉られるような感覚。

だから、痛くて、辛くて。
空は見上げても乳白色。
樹々は細さを競うほどに震えて。
びゅんびゅんと吹きすさぶ風が部屋の隙間から入ってきて背筋を切り裂いていくよう。

物語の形としてはいたって単純。
保釈された父親の足跡を辿るドラマ。
その父親が裁判所に出頭しないと保釈金代わりの“家と森”を失うため、主人公の形相は鬼気迫り、ひたすらに圧倒されて、ひたすらに絶句。

主演はジェニファー・ローレンス。
見事なまでの存在感。
過酷な状況に立ち向かう“凛とした眼差し”が色を失った世界でひときわ映え、一本の筋が通り、流れていくのは赤色の液体。そして鼓動。

また、大海に落ちた一滴の優しさも。
乾燥した人間関係だからこそ、貴重な縁となって頼りたくなる始末。ゆえに正論を淡々と述べる軍人は最高に萌える存在。現実と現実。その境界線で揺らぐ想い。

まあ、そんなわけで。
「貧困」という熟語で流したくないほどに過酷な物語。手にするものが無いからこそ、肩にもたれる“温もり”が愛しいわけで、祈るのは安寧。ただそれだけ。

…最後に余談として。
鑑賞後に本作がアメリカの一地方に住む《ヒルビリー》と呼ばれる人々を描いたものだと知りました。超大国として世界に君臨するアメリカですが、このような側面もあるのですね。その事実に驚きです。

また、鑑賞前の注意点として。
リスが好きな人、あるいはリスを飼っている人は“覚悟”が必要です。町田リス園に喜び勇んで訪れるような人は鑑賞を控えた方が良いかもしれません。
ひろ

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3.7
父親は失踪して精神病んでる母親と幼い弟妹を面倒見る17歳の女の子が奮闘するお話。
失踪した父親を探さないと家やら山やらが取られちゃうので必死なのに一族の掟とやらでむちゃくちゃ!
とにかく女達が怖い!なんなの?ってくらい怖い。
父親のお兄さんが結局いい人で良かったけど。

まぁ〜でもリー役のジェニファーローレンスが最高に良い。
青いビーニーが似合いすぎ!
映画JP

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3.5
ジェニファーローレンスを観るために鑑賞。父が突然失踪し、担保に家を掛けていた。父が裁判に出なかったら家が取られてしまうため、父を探すことに…。だが、周りの住民は父の捜索に反対する。果たして…!?村の掟。雰囲気自然がいっぱいでとても良かった。
sai

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3.5
田舎から抜け出せない貧困問題って、程度に差はあるものの世界共通だと分かる。
リアリティがあり、感じることが多かった。
ちかミ

ちかミの感想・評価

4.3
ミズーリについては不明ですが、多分ド田舎。アメリカのドン詰りをぶった斬るような映像で切りだした相当タフな作品でした。

追いつめられどこにも希望がない状況に置かれた主人公を演じるのはジェニファー・ローレンス。ティアドロップ役のジョン・フォークス(最高!)はじめ脇役が強烈過ぎるので、この脚本とキャスティングに対応したのは脱帽の一言。ストーリー的にもジェニファーが演じる必然性は特になく、彼女にとってもチャンレンジだったと推測します。

バックグラウンドに流れるカントリーやトラッドも良く、「カントリーはアメリカの演歌」という説にも納得がいきました。

デブラ・グラニックの最新作「Leave No Trace」もぜひ観たい!
のぐ

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3.7
スリービルボードからのミズーリ繋がりで鑑賞。おじさん最高にカッコよかった。
Rosso

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3.2
父をたずねて三千里 的なジェニファーすこすこ映画かと思いきや、
なんだこれ重すぎて反吐が出るタイプのね、おうふ。

まあ村の掟とか同調圧力とか
クソの極みだとはっきりわかるね。
こんな閉鎖的な掟社会ってガチでまだ存在してるんすかね、
救いがなさすぎてなんかもう...

韓国映画の如くどん底絶望エンドではないよ、だけれども長期的な今後の展望としてこれ希望見出せますかね、僕にはバッドエンド行きが少々延命されただけにすぎないように感じた。

ジェニファー・ローレンス、まだ芋臭さを感じますね。
こっちのジェニファーも好きだけど、おじさんはマザーでの人妻ジェニファーの方がすこやな。
見えないけれど触れる事ができそうな静かな恐怖と、どうしようもない無力感と、「マジか!それでいいのか、おい!」という感覚でラストまで。この映画に出てくるヒルビリーという地域と人々については、町山智浩さんのレビューが一番なので、ぜひググってください。アメリカの貧困が置かれている状況がよくわかるし、どうしたらいいのかはさっぱりわからない。答えはもとより無いから仕方ないのだけれど、観た後、でもこれでいいのか?という感覚でふらふらした。『フロリダ・プロジェクト』もそうだけれど、アメリカは現実の描き方に容赦がない。しかし痛切ではあるが、どこかにちゃんとファンタジーがある。このファンタジー感が無くなるとドキュメンタリーになっちゃうよねぇ。佳作だと思うし、もっといろいろな人に観て欲しい映画。
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