Jeffrey

薔薇の木にバラの花咲くのJeffreyのレビュー・感想・評価

薔薇の木にバラの花咲く(1959年製作の映画)
3.0
「薔薇の木にバラの花咲く」

冒頭、ショートヘアの若尾文子がモノクロの中に映る。アルバイト学生の彼女、ブルジョアの友達、家庭教師と令嬢、一夜限りのパーティドレス、 設計技師。今、温室に誇り咲く紅バラと、野に咲く清純の白バラの二つの対立を描く…本作は新婦人連載中の芝木好子の同名小説を映画化した女性文芸で、舟橋和郎が脚色し枝川弘が監督した若尾文子主演の一九五九年の作品で、この度初DVD化され初鑑賞したが面白い。

さて、物語は矢野黎子はアルバイト学生。顔の広い級友の紹介で、ブルジョワの藤堂家の次女、マリ子の家庭教師になる。藤堂家の長女、友絵は典型的なブルジョア令嬢で、別荘のデザインをしてもらっている設計技師の叶冬彦を秘かに愛していた。 黎子にとって藤堂家の生活はすべてあまりにもかけ離れていたが、明るく知的な冬彦との出会いは、いつしか黎子の境遇を通り越して、好意以上のものを感じさせていたのだった。一方、冬彦も清楚で美しい黎子を愛し始めていた。 二人の仲は急速に進展していくが、黎子の心は複雑。理由は黎子には赤線で働く姉、銀子がいたからだ。

いゃ〜当時二十五歳の若尾文子が可愛らしい。ボブショートで、パーティーに行く際には髪をアップしてドレス姿の彼女も非常に可愛らしいのである。アルバイト学生を演じているのも新鮮だ。若き女子大生の歩む愛の道は女性の共感を呼ぶ映画作りになっている。若尾文子が作業着を着ている場面なんてめったに味わえないだろう。
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