ボブおじさん

フラッシュダンスのボブおじさんのレビュー・感想・評価

フラッシュダンス(1983年製作の映画)
3.5
78年が「サタデー・ナイト・フィーバー」80年が「フェーム」83年の「フラッシュダンス」そして84年「フットルース」。

自分の青春時代に流行った音楽と映画を一体にして売り出す青春映画の中の一本。それぞれの映画に主演したジョン・トラボルタ、アイリーン・キャラ、ジェニファー・ビールス、ケヴィン・ベーコンも揃ってスターになった。ちなみに大ヒットした本作の主題歌〝WHAT A FEELING〟を歌っているのもアイリーン・キャラだ。

皮肉なことに映画の内容よりもこの主題歌とオーディションのダンスシーンばかりがフューチャーされた。このダンスシーンはその後、様々な映画やバラエティー番組でもパロディとして取り上げられている😅

ストーリーも相手役の俳優もイマイチだった為、映画としてのクオリティは高くないが、後に「ナインハーフ」や「危険な情事」を撮るエイドリアン・ライン監督だけに照明やカメラアングルで女性を美しく撮ることの片鱗は見せている。

だが、この映画のクライマックスとも言える例のオーディションシーンはプロのダンサーによる吹き替え。つまりこの映画で一番有名なシーンに彼女は出ていない。それが祟ったわけではないだろうが、その後ジェニファー・ビールスは長いキャリアの中で、この映画以上の役を演じることはなかった。


〈余談ですが〉
◆手元にある当時のチラシのコピーが意味不明だ。

フラッシュは美
フラッシュは動
フラッシュは夢
フラッシュは愛
さあ!感覚のフラッシュ・アップ!

う〜ん。実に難解である😅

◆そういえば、先日見たヨルゴス・ランティモス監督の問題作「籠の中の乙女」の中でもフラッシュダンス踊ってました😅

◆今であれば演技もダンスも出来るタレントはたくさんいるが、今ほどダンサーの層も厚くなかったこの時代に、演じ手と踊り手を分業にしたキャスティングが結果的に功を奏し映画は大ヒットした。

これを可能にしたのはまだ駆け出しの監督エイドリアン・ライン。逆光や煙・ボリュームのあるヘアスタイルとスピード感あふれるダンスで上手く顔を隠し、ダンスシーンの吹き替えを違和感なく撮影・編集した。

この手腕を買われた彼はこの後、業界内での評価を高め次々と大きな仕事を手に入れる。そしてこの座組みをコントロールしたのは、まだ大物になる前の製作のジェリー・ブラッカイマー。やはり彼が1番の切れ者だったということか😊