ヒロ

ナインスゲートのヒロのレビュー・感想・評価

ナインスゲート(1999年製作の映画)
3.0
ネタは良いのに!ネタは良いのに!
って感じの映画でした。途中まで面白く見れたのに、最後がう〜ん…。
漫画的な事を考えると、主人公の主義や言動がブレると話が行方不明になるので、これもそれなのかな…。依頼を受けて巻き込まれ型のままなのもいけないのか…。主人公から発生される欲求『娘を救いたい!』とか『この謎を解きたい!』とか、途中から何かしら能動的な行動欲求が示されてないのが原因かなぁ…と。(金を積まれて頼まれたからやってるだけ)ストーリーの推進力が無くなってしまう。
あともし主人公が現実主義の拝金主義って設定なら最後まで行動はそれを貫いて、そしてカタルシスによって話を昇華して完結しないといけない。
カタルシスによる昇華は、主人公の欠陥部分を乗り越えたりすることによって発生するので、何かその要素も主人公の設定に必要だったのかなぁ…と。(例えると、ITのルーザーズクラブの面々が、いじめられ側で冴えない奴らだけど、ペニーワイズと逃げずに戦って、内面的に成長する、もう負け犬なんかじゃないぞ!みたいな成長部分)
現実主義故に悪魔どころか神も信じないとか…。悪魔に魅入られてピンチになってそこは何か超自然的な力の加護により守られるとか。。だから3冊のうち一枚は教会とかが厳重に管理?か封印?してて、神側の人間の助言があったりとか、『目には見えない何かも存在するのですよ』的なたしなめがあったりとか…伏線になるし。
兎に角テーゼ(主人公が元々居た世界)アンチテーゼ(主人公が新たに飛び込んだ世界)ジンテーゼ(その2つを跨いだことで得た新しい価値観、認識の世界)という精神変化が必要かなぁ…と。環境的変化はしてるけど、内面変化は見てる側に伝わらなかったので、それも良くなかったのでは…。知らんけど。
この話はネタは良いので主人公の設定がまずかった気がする。
『オカルト的な事は全く信じない、拝金&現実主義の古書ディーラーが、曰く付きの悪魔の書を手に入れたことにより、様々な危険やオカルト的な恐怖に巻き込まれる話』ってログラインを、正しく膨らますべきだったな…と。
知らんけど。
ヒロ

ヒロ