このレビューはネタバレを含みます
妹は幼少の頃から兄がずっと好きだった。で、兄が記憶喪失をした隙に恋人同士になる…そう近親相姦のお話である。
妹がいる身からしたら近親相姦なんて全く意味が分からない世界。
コクトーの恐るべき子供たちなど近親相姦のお話は他にもあるけど。
最初に記憶なくしたお兄さんを哀れに思い恋人のように支えるのかと思ってたら何も葛藤がない(ようにしかみえない)ままセックスもするのだ。
お兄さんのハルオは妹のアイスを彼女だと思っている訳で…妹は兄だと知ってる訳で…これって虐待ではなかろうか…
いきなりこれが引っかかっていまいち入り込めなかった。
「愛が動機なら やってはいけない事なんて何ひとつない」
これは三月のライオンのジャケットにあったコピーだが全く分からない。
ハルオは記憶をなくす前もあんなにピュアだったんだろうか…
そしてアイスは兄と恋人関係を続けつつ援助交際もしている。
お金のため?もちろんそれもあるだろうけどそれだけではなかろう。
自暴自棄になっているのではないか?
アイスは何か目的があったんだろうか?
解体された建物、小さくて聴こえないせりふ、暗い部屋…何やら不安になる。映画のポスター含め死をイメージしてしまう。
記憶そう失モノだといつ記憶が蘇るか?がサスペンスとなり盛り上がるのだか本作は淡々としてるのでさほどドキドキ盛り上がりはしなかった。
ラストはびっくりしたけどあれでいいのかな。まぁ誰も傷付いてないからいいのか。
祈るしかない。
アイスが劇中で何度も口にする甘いアイスは兄に甘えているメタファーかと思ってたけどラストを観ると…うーむ。
色々分からない事があってもやもやした映画だけど、最初に興味を持ったのがアイスの可愛さ。
黒髪ショートにレザージャケットにフレアスカート…むちゃくちゃタイプでした。