実際には公開当初に映画館で見たんだが、今改めて視聴。アンジェリーナ・ジョリーの美しさ、そして女優としての矜持に頭が下がる映画。
CIAの凄腕スパイ『イヴリン・ソルト』は、結婚記念日の当日に謎のロシアからの密告者『オルロフ』の取り調べを行う事になる。しかし彼の発した言葉は、ソルトの人生を大きく揺るがすものだった。
『アメリカ副大統領の葬儀の日、慰問に来たロシアの大統領が暗殺される。容疑者の名はイヴリン・ソルト。つまり君だ』と。
スパイ容疑をかけられたソルトは、連絡のつかない夫を探すため、かつての同僚たちとやりあう事を覚悟の上でCIAの中枢から姿を消したーー。
とまぁ、導入としてはこの上ないほどのスパイアクションだが、何より凄いのは演出もさることながら、アンジーの全霊を尽くした演技、そしてアクションシーンだろう。
スパイとしての知識、技能を最大限に活用しつつ、目的はただ一つ、最愛の夫を見つけること。そんなソルトを一分の隙もなく演じきったアンジーの演技力には驚嘆を覚えるばかり。魅せるための演技ではあるものの、そこにフィクションめいた虚像を全く抱かせない彼女の手腕は流石だ。
事の真相に至ってなおブレる事のないソルトの姿勢に、僕は完璧にやられた。素晴らしい。
いささか暴走気味なレビューをしてしまったが、等しく万人に勧められる映画である事に違いはない。
