イチロヲ

虹をつかむ男 南国奮斗篇のイチロヲのレビュー・感想・評価

虹をつかむ男 南国奮斗篇(1997年製作の映画)
3.0
社会に馴染めない青年(吉岡秀隆)が、映画の巡回上映を続けている興行主(西田敏行)と再会する。奄美群島を舞台にして、映画興行に携わる人間たちの悲喜を描いている、人情喜劇の第2弾。「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」との併映。

寅次郎の立ち位置を映画の興行主(西田敏行)に置き換えているシリーズの第2弾。寅イズムを継承した吉岡秀隆が「生き甲斐のある労働環境」を追及していく。役者陣のコミカル演技が鼻につくが、やっていることは「男はつらいよ」の延長線上といえる。

本作のマドンナは、人生の再出発に逡巡している、シングルマザー役の小泉今日子。若い青年が子連れの母親に同調するという、「恋愛感情の成長期」が描かれる。また、西田敏行の恋愛劇では、松坂慶子がヒロインとして登場する。

「渥美清への哀悼」という役割をすでに果たしているため、未練がましさと往生際の悪さがネガティブ方向に際立っている。全2作品でシリーズ完結というのも、宜なるかな。
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