ヒムロ

オーディションのヒムロのレビュー・感想・評価

オーディション(2000年製作の映画)
3.6
妻に先立たれ、息子を男で一つで育ててきた映像制作会社の社長 青山重治。
ある日息子にふと言われた「最近しょぼくれてる、再婚でもしたら?」という言葉に後押しを受け、再婚相手を探すことにしたと友人の吉川に告げる。
吉川の提案で架空の恋愛映画のヒロインオーディションを行い、そこで好みの女性を見つける事にしたのだが、ここで出会った山崎麻美との出会いが全てを狂わせていく。


三池監督作品らしいグロくて痛々しくてサイコなホラーといった感じ。
そういうのは基本好みではないのだが、山崎麻美を演じるしいなえいひさんの演技が最高だった。

美人だがパッとしない顔、どこにでもいそうだが脳裏に焼きつく表情、どこか虚ろな目、空虚さを感じると同時に庇護欲を掻き立てられる喋り方。
何もかもこの人のためにある2時間。

ストーリーはオーソドックスに狙っていたと思っていた女から逆にヤバい意味で狙われてた的な話で、古い事もあって真新しさはない。
邦画らしくボソボソすぎて聞き取れなかったり無意味に長いシーンとかもあるのだが、麻美のシーンだけは無言でも何か迫力がある。

作中でも吉川が「いやに緊張させる女」と評していたのがすごくしっくりくる雰囲気。
こんな曖昧な雰囲気を映画のあらすじというバイアスがかかっているにしても感じさせる芝居はすごいの一言。

ラストは正直呆気なさすぎる気もするが、暗記していた事を思わせる表現は見事すぎる脚本。
ヒムロ

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