早紀

ラスト、コーションの早紀のレビュー・感想・評価

ラスト、コーション(2007年製作の映画)
5.0
一度見た後にすぐにもう一度見ました。長さを全く感じさせません。切なくて、深い痛みを感じた作品。重い余韻が心に残りました。

私は最初トニーレオン演じるイーはヒロインチアチーを自分を暗殺すべく近づいた抗日スパイだと分かった上で彼女の誘いに乗り、遊んでいるのかと少し疑っていたのですが、再び見た後に、彼は本当に彼女を愛し、信じていたのだと確信しました。そうでなければ最後あんな表情は絶対に出来ない。

(↓ラストネタバレしてます)















イーは最後彼女がスパイだと知ると彼女の仲間諸共22時までに処分するよう部下に言いつけました。自分の命を狙った者は処分する。彼は愛したチアチーも特別扱いをせず、これまで通り当然の結果を出します。でも彼女が去ったベットのシーツをそっとなでていたり、「彼女はどうしたの?」と妻に聞かれた時のはっとしたような表情。そして22時を告げる鐘の音が鳴った瞬間ぎゅっと目を瞑った所、、、。全てに彼女への愛が本物だったと示していて胸が締め付けられる。

スパイなんかやらずに仲間とこれまで通り仲良く劇団をやって、思いを寄せていた先輩のクァンと結ばれればこんな結末にはならなかったんだろうけど、、。でもスパイをやらなければイーとも会えなかったしなあ。うーん、、。

1番好きなシーンはイーがチアチーに指輪を贈り、「私が一緒にいる」と言った彼に対して必死にチアチーが視線で訴えかけ、うん?と首を傾げたイーに対して「逃げて」と絞り出したところ。愛してしまった彼に対する最後の言葉が最高に切ない。(うん?が可愛い!)

そしてトニーレオンはやばい。もう死ぬかと思いました。私の殿堂入り俳優。居るだけで漂う溢れんばかりの色気とオーラ。温厚な優男のイメージでしたが、今回のサディスティックな姿も素敵すぎる。好きしかない!

☆20
早紀

早紀