Jun

姿三四郎のJunのレビュー・感想・評価

姿三四郎(1943年製作の映画)
3.5
三四郎が試合をする場面を始めとして、作品の中で描かれている全ての対決シーンが独特の緊張感を纏っていてとても楽しめた。黒澤明監督デビュー作ではあるが、間の取り方が絶妙であり、観る者がスクリーンの向こう側へ引き込まれたことが容易に想像できる。
精神的に成長する三四郎の姿は清々しく、また小夜との淡い恋も素朴さが感じられて好感が持てる。しかしそれ以上に印象的なのが三四郎の心情を察するが如く変化する天候、すなわち雨や風、嵐といった自然描写だ。中でも三四郎のライバルである檜垣源之助との勝負の前に強く吹き付ける風が効果的であり、試合前の緊張感をより一層高めている。
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