けーはち

八つ墓村のけーはちのレビュー・感想・評価

八つ墓村(1977年製作の映画)
3.8
村人に狩られた落武者の怨念に端を発するオカルトホラー/連続殺人ミステリー&サスペンス。津山事件に材を取る大量殺戮犯の鉢巻に蝋燭の恐ろしき狂態、刀と銃で武装し全速疾走で襲撃する凶行はインパクト大。たまに挿入される白黒のフラッシュバック、村の長老的双子白塗り老婆、「祟りじゃ」と煽る尼、村のおどろおどろしい地下洞窟の武装即身仏、真犯人の顔面が突如お化けメイクになる終盤の展開など、面妖な画が目白押し。やり過ぎコントになるギリギリ手前まで魅せるオカルト因習村の不穏さや良し。主人公は突然己の出自を知って闇深き村に赴き、事件に巻き込まれるショーケン。彼の生業が空港職員なのは、ジャンボジェット機が現代(当時)最先端の花形技術で、古来の血塗られた因縁、迷信、陋習とのコントラストを強調するのに一役買っている。本作の金田一(渥美清)は要所で主人公に助け舟を出す狂言回しや語り部の立ち回りで、他作品に比べて異色の存在感である。