この映画は、石坂浩二主演の金田一シリーズが大ヒットしていたため、松竹がそれに便乗して渥美清を金田一耕助役に配し制作されたらしい。
私、個人としては石坂浩二版の金田一シリーズよりも面白いと思う。原作とは違い、舞台を昭和50年代に設定が移されているが、恐怖演出や残酷描写はこの『八つ墓村』が優れているのではないかと思う。
私は、この映画は昔地上波で観たことがあるが、非常に怖い思いをしたのを覚えていて、特に山崎努が演じる多治見久弥が行う殺戮シーンはトラウマもので（特に赤ちゃんを日本刀で刺し殺すシーンは衝撃だった）、『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の人食いシーンと同じレベルだと思う。
松竹版の『八つ墓村』の金田一耕助はあまり主人公という立場ではないが、渥美清が演じる金田一は寅さんとは違うどこか頼りがあるように感じる。
今見てもあの時見た衝撃は変わらなかった。野村芳太郎は『砂の器』といい、『震える舌』といい、本当にいい映画をたくさん残してくれたと思う
