萩原健二と小川真由美が村を訪れ、落武者のたたりの真相を究明する展開が中心な所は、同じく野村×橋本タッグの「砂の器」と似ている。開始30分過ぎてからぬるっと登場する渥美清版金田一は、別ルートから捜査するどちらかというとサブ的なポジション。たたりに見せかけた犯罪じゃなく、本当に祟りというオカルトチックなストーリーも特徴的。
前半はテンポがゆっくりに感じ無理やり重厚感を出そうとしてるのかと疑った。洞窟を散策するシーンが何回もあって、画的に飽きてくる。
後半になるにつれ次第に散漫になり、脚本の大胆なアレンジが際立つ展開は評価が分かれそうだが、終盤のやりたい放題としか言い様のない詰め込み感は嫌いじゃない。
鉢巻きに懐中電灯と二つ刺し、弾倉をたすき掛けし、手に刀と銃を持った山崎努が桜舞う丘を駆けるシーンは、ギャグと狂気と美しさがない交ぜになった場面で震えるほど良かった。それ以外も鬼畜山崎努がいっぱい。
生首攻撃をする田中邦衛に笑う。あと婆ちゃん達の老けメイクが露骨過ぎて気になった。
B級ホラー、オカルト、サスペンス、ラブと闇鍋みたいなごった煮感からそらパロディにもなるわと思った(老婆の「た~た~りじゃ~」とかね)。この内容と長さなら連続ドラマの方が楽しめそう。
辺境の村で起きる殺人つながりで「ビー・デビル」とかの韓国ホラーを連想した。