ミミックさんの映画レビュー・感想・評価

ミミック

ミミック

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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カチッと決められた画角の綺麗さや、ややこしい入れ子構造の設定など目を引く部分はあるけど、肝心の話にあまり興味が持てず台詞はするすると耳を素通りしていった。
演劇要素は前作でも一部使われてたっけ。
音楽
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.7

手書きの線を活かした背景やアメコミ感が残る3DCGが日本のアニメでは見られないので新鮮。
仲の良い4人だけのノリがあったり、会話がどこにでも居るティーンが言いそうなとこが良い。
今のポップカルチャーの
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劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100(2023年製作の映画)

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いつもの複数ではなく、一つのみの投稿映像の謎をクルーが追う。
中村監督が画面に居るだけで説得力が上がる。
高齢者社会により家財が残されたまま廃墟になる物件とかはこれからも沢山出来るんだろうな。
インタ
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2300年未来への旅(1976年製作の映画)

3.4

ユートピアだと信じてた管理社会はディストピアと気付いた管理側の人間が、聖域を求めて外の世界への脱出を試みる。
製作当時に知恵を絞って考えられた目一杯の近未来ビジュアルにワクワクした。
今見るとチープに
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.6

父アグスティンと娘エストレリャの関係の変化と決別。過去にとらわれ前に進めなかった父と父の故郷に向かう娘の成長の対比。父の親だけではない面に気付いた時、娘は一つ親離れの階段を上る。スクリーンの人物に焦が>>続きを読む

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!(2019年製作の映画)

3.5

不時着した宇宙人の子供と仲良くなり何とか宇宙に帰そうと奮闘するショーンたち。
スケールが大きくなるほどさすがに全てクレイアニメではないだろうとか、どこまで3DCGを使ってるのかとか考えて見るようになる
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.7

年下外国人男性と結婚した事で意識するしないに関わらず浮かび上がる差別意識。
息子たちにアリを紹介するシーンのピリつきが凄い。ああも相手が見える真ん前でテレビ蹴って壊すかね。
娘の旦那役を監督本人がやっ
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一人の女性失踪事件を複数の人物視点で追うことで浮かび上がらせる。それぞれの登場人物の想いに寄り添うには1回では足りない。むしろ二周目の答え合わせが楽しい作品だった。特に警官のニアピン具合なんかは逆にコ>>続きを読む

一晩中(1982年製作の映画)

3.4

一晩で起きる男女(男男)の付いたり、離れたり、追いかけたり。闇夜でうごめく恋人たちの艶かしさ、猥雑に映るアケルマンの切り取り方。長回しカットは所々効果的に。知らない恋人のあれこれはあんま興味ない。

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.7

背景の細かいとこまで美しい3DCGアニメーションで、人物への光の当たり方が特に印象的だった。バトル獅子舞という目の付け所も日本的に親和性がある。キャラ造形や展開は10年くらい前のクレしん映画みたい。師>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.4

やはり人生終わりに近づくと、絞め方を考えるようになるのかな。終わりよければすべてよしみたいな。本人のなかで昇華できても周りとは温度差が出来てしまうのでは。それでも本人が納得すれば良いのか。狭い1LDK>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.5

ウィキペディアの引用を冒頭に持ってくる辺りからしてふざけ倒す気満々なのが良い。
熊の動きは明らかにフィクショナルなのに映像的に不自然さがないのには、一体どれだけ技術の無駄遣いがあったのか。
死に方大喜
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街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.7

段取り良く淡々と進める仕草は後の『ジャンヌディエルマン~』に通ずる。ブラシの柄が取れても掃除を続けたり、白い液体が飛び散っても気にせず踊ったりとやけくそを表してるのか、演技の偶然性をあえて取り入れてる>>続きを読む

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.3

母からの手紙に街の風景で答える。今で言うvlogみたいな趣。監督が現代に生きてたらどんな映像表現を試みるのだろう。駅のホーム、電車内、直進車、フェリーの上らからの定点。生活ルートが決まってくると流れる>>続きを読む

グリーンバレット(2022年製作の映画)

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グラビアアイドルに囲まれても国岡のアイドル性は損なわれず。ドキュメント感は薄い。このゆるい世界観にも馴染む板尾創路はすごい。

エゴイスト(2023年製作の映画)

3.4

息遣いを感じる鈴木亮平の演技は見応えがある。
ここでも貧困の差が描かれてる、もはや現代を語る上では避けられない問題なのだろう。
物語の推進力のためにキャストを死なせる展開は好きではない。

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.5

神父のバディ関係とかバトル展開がアニメっぽくて、フリードキンのエクソシストから約50年でエクソシストもののテンプレがすっかり出来上がってエンタメとして消費できるまでになったんだな。キリスト教なので邦画>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.6

クリスマス時期にはクリスマス映画を見たくなる。

妖精の時点でサンタがチートであることに変わりはないが、とにかくスカッとできるバイオレンス映画で良かった。

子供がいたずらを仕掛けて大人をこらしめるホ
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悶絶!!どんでん返し(1977年製作の映画)

4.0

全編バイオレンスでアナーキーでエネルギッシュ。
この頃の邦画、というか日活ロマンポルノはやはり勢いがある。
執拗なまでのしり責め、かと思えばシュークリームぶつけ合いみたいなバラエティチックなやり取りも
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.6

前作はまだ親父だったから不慣れなPCを使う姿に共感もしたけど(それでもかなり使いこなしてたが)、今回は現役世代の子が主人公だからデバイスの種類も増えて、画面上の情報量が格段に上がって、もう文字を追うの>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

開始30分そこそこで既に窮地に陥って、残りの時間埋められる?と思ったけど、手持ちのアイテムやら二人の関係など、あれやこれや手を尽くして興味を持続させていた。
こういうワンシュエーションものでいくと、登
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ダークグラス(2021年製作の映画)

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別に眼が見えなくならなくても、事故の相手が中国人の子供で無くても、話に問題は全くないわけだが、BGMの入り方とか、ショッキングな殺害シーンとか監督らしさを感じられる瞬間は多々あった。終わりかたのあっけ>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.5

ヴィンセント・ギャロが監督主演だからヒロイン像がまあ、主人公にとって都合の良い理想を具現化したようなキャラクター。映画だからそれで良いんだろうけど。いきなりの拉致、誘拐で拒否反応バリバリだが、映画が進>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.3

割りと分かりやすい格差逆転もの。

フリの段階の前半がただセレブのクソっぷりを垂れ流すだけで、後半の島編に活きてこないから冗長的に感じた。

人を流してたセレブが酷い目に遭って、最後は流されるオチは笑
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.6

ゲームの映像化のクオリティが高く、ファンタジーとコメディのバランスが良い。
欠点を持つ仲間同士で知恵を出しあって戦うバトルが爽快。
ヒュー・グラントのイケオジな悪役も抜け感があって良い。
久々なこれぞ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.5

画面から寒さが伝わるような冬のロードムービーだが、見終わるときには心が暖まる。目的はあれど、旅の過程でどんな出会いがあって、何をし何を感じたが重要。他人と同じ寝台車の相部屋で数日過ごすなんてとてもじゃ>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.4

過去の栄光から英雄視され、娼婦殺しも町の浄化だと肯定される。父は立派なことをしたんだと得意気に殺し方を疲労する息子。地獄の連鎖がここイランでも。『ハウスジャックビルド』のような犯罪者の日常。このまま罪>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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別にアダルトショップで働かなくても、大学生になると自然と垢抜けてくと思うけどな。
人との出会いが見識を拡げるのは、まぁあるかな。
主人公は日本人受けしやすいルックスしてる。
配達した客に援交を迫られる
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スマイル(2022年製作の映画)

3.3

負の笑顔の連鎖。
伝染病の類いではなく己のトラウマや心的原因が増幅されて死に至る、のかな。
笑顔で自分の喉を裂くファーストキルのインパクトが一番強かったかな(その後白い布にUの血がにじむビジュアルも含
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.8

過激な環境活動家を肉にして売る発想がイカレてて最高。他の人の感想を読むと細かく皮肉が入ってることに気付いて二度おいしい。キャラよし、テンポよし、風刺よし。懐メロに合わせて軽快に処分してる場面と、狩りが>>続きを読む

夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

3.5

この国は間違いなく貧しくなっているし、それを分からせないような政治をしてる。格差は広がり分断を煽る。コロナはあくまできっかけのひとつに過ぎず、それまでぼんやりだった現状が少しくっきりしてきた。世界から>>続きを読む

エム・バタフライ(1993年製作の映画)

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大事な部分は見せない、意味深でミステリアス、でも従順な東洋人女性に対する幻想を逆手にとるように西洋人男性が騙される。

覇王別姫を見てるので京劇シーンの見よう見まね感は気になるが、それゆえラストシーン
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小人の饗宴(1970年製作の映画)

3.7

仲間を捕らえられた施設の衆人等がクーデターを起こして暴徒化していくー。

器物損壊や動物虐待などなかなかアンモラルな様相を呈しているが、小人だらけ(あと視覚障害者)の生活はどことなくファンシーで、世界
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.7

共に学んだ生徒や先生たちとその日を境に別々の道に進む卒業という儀式は、人生で小中高のたった3回しかないのでどうしたってビッグイベントだしエモくなってしまう。桜が咲く時期ってのも補正要素になりうる。>>続きを読む

危険な戯れ(1975年製作の映画)

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編集のリズムで違和感を演出するシーンが独特。
お人形みたいな女体を愛でるスケベ親父たち。
瞬きもせずピクリとも動かないストップモーション大変そう。
終盤のカーチェイスシーンがやけに雑に感じて可笑しかっ
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シング・フォー・ミー、ライル(2022年製作の映画)

3.4

歌でしか自分の気持ちを伝えられない性格なのと、人前で歌えない事は本来別の問題なので、そこをごっちゃにされてめでたしにされてもモヤモヤは残る。

本当に個性を受け入れる世界を見せるなら、描き込みが少し足
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