ミミックさんの映画レビュー・感想・評価

ミミック

ミミック

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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大切な家族を失くしたとき、それをどう克服していくのかという過去作にも通じるテーマは感じたが、作品としてはう~んと言ったところ。

途中の劇中劇が興味深く、あそこで語られたことが核だったのかな~とぼんや
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倫敦(ロンドン)から来た男(2007年製作の映画)

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導入に30分近く使い、終わってみればシンプルなストーリー。
こだわりの長回し、たっぷり間を使って街の景色や人物の表情をとらえる。
船と鉄道が隣あわせの港町。
同席してるような気分になるカフェでの会話。
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ブラインド 視線のエロス(2014年製作の映画)

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視覚を奪われると、目の前で起きている現実と、頭のなかで妄想してる物語の境目が無いということを映像で表しててとても興味深かった。映像作品と言うよりは思考実験のよう。視覚以外の感覚に頼らざるをえないので、>>続きを読む

あきれたあきれた大作戦(1979年製作の映画)

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ピーターのとぼけた感じと堅物アランのコントラストが良い。
銃撃戦とかカーチェイスとか結構大規模だけど、全体的に気の抜けた感じがクセになる。
アランがジグザグに走って弾を避けるのを繰り返すシーンと、今に
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.6

金のチケット欲しさに大量のチョコが捨てられる描写なんかは今のおまけ商法を揶揄してるし、子供向けの楽しいファンタジーミュージカルの体裁を取りながらも毒と教訓が込められたお話としてもしっかり作られてた。>>続きを読む

レスリー・チャン 嵐の青春(1982年製作の映画)

3.6

当時、香港映画に新しい波を起こそうとする気概をビンビン感じる。
若者たちの青春、急なカット繋ぎ、当時としては大胆な性描写、日本リスペクト設定、ラストの急展開。
レスリー・チャンがおばさんに窓から投げら
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黄金時代(1930年製作の映画)

3.5

シュール絵画の映像版。
大まかに一組の男女がくっついたり離れたりする筋らしきものはあるが、カットの繋ぎも挿入されるカットも脈絡がなく、それでいて不条理で暴力的。
道端にいる犬や盲人を訳もなく蹴り上げる
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黒い眼のオペラ(2006年製作の映画)

3.5

この映画と比べると、台詞にしろカメラの置き方にしろ日本の映画がいかに説明的なことか。
埃っぽい家屋、暗闇が強調される廃墟、煙に包まれた街並み。
水に浮かぶベットのごとく、流れる風景を楽しみたい。

境界カメラ4(2019年製作の映画)

3.7

GEOの宅配レンタルにて。4作でなんとか着地したマラソンのような達成感がある。異界の二人、幽霊の肉声、幽霊が視える人の視点。大嘘を少しでも本当かもと思わせるために作り手も視聴者もここまでこつこつと積み>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

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自分が味音痴なのもあるが、そこまで食に関心がないゆえ、劇中の食に関する会話が多くて途中で飽きてしまった。

匂いや音が沸き立つ調理シーンは見応えがある。

美食家と料理人の関係性も大人すぎていまいち釈
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最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.5

素行に問題のある地元のティーンを使って映画を作る。
タイトルはそのままの意味というより、どちらかと言うと自虐的な意味で言ってた言葉か。
自分と近い役柄を演じることで自らを客観視できる。
演じるつもりが
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.3

間違って通報が行ったam5:22から射殺されるam7:00頃までをほぼリアルタイムで描いているので、事件の有り様がとてもリアルに感じられた。
警察の教材に出来るくらい問題点が詰まってる。
たびたびこう
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.8

実写ストップモーションでドキュメンタリーテイストなのが新しい。パッと見ではもう境目が分からないほどアナログとデジタルのハイブリッドは進化してる。

そもそも撮影者のディーンはどうやってマルセルの存在を
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アリバイ・ドット・コム 2 ウェディング・ミッション(2023年製作の映画)

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いつもの3人組に加え互いの両親もキャラが立ってる。願わくはアリバイ作りで用意したメンバーがもう少し目立てれば。
柵を隔てて同時披露宴を行う場面が見事にコメディだった。
お下劣にならない裸と子供や動物へ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

3.8

韓国の労働環境と搾取から逃れられない構造がありありと映し出されていてツラい。
ペ・ドゥナ演じる一介の刑事が、既に出来上がったシステムの1個1個にメスを入れるが、何かを変えられるわけもなく。
日本でもブ
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

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デビュー作のレザボア・ドッグスから8作目のヘイトフル・エイトまで製作の裏側を監督以外の関係者が語る。
女性賛歌と黒人平等意識が監督の家庭環境にあったのを知れたのは良かった。
関係者が登場する際、どの作
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

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ワーナーだけどディズニー映画みたいな見易さで、ティム・バートン版と比べるとドラッギーさに欠けるがその分幅広い年代に受け入れやすそう。
古い年代の衣装の細かさが良い。
チョコレート工場というかお菓子の家
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波紋(2023年製作の映画)

3.7

人間関係を波紋に例えるのがまず上手い。
筒井真理子、光石研演じる夫婦を始め、木野花演じる同じ職場の友達、安藤玉恵演じる隣人、キムラ緑子·江口のりこ·平岩紙らが演じる新興宗教の人々など、名バイプレーヤー
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ドミノ(2023年製作の映画)

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今はまだ注意深く見ればフェイクだと見抜けるものもあるだろうが、この先更に技術が進歩して人の目では判断できないくらいになった時、何を頼りに見極めれば良いのか。
個々が持つ記憶であったり五感が一つのキーワ
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

組壊滅に向けて潜入捜査官がヤクザの世界で成り上がる。
様々なシチュエーションでの岡田准一のアクションが堪能できる。
結果蓋を開けたらみんな仲間かい、には笑った。
岡田坂口のバディ感やら、ボスのMIYA
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クロムスカル(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

銀の髑髏マスク、肩に小型カメラ、ギザギザのサバイバルナイフと絶妙に厨二心をくすぐる殺人鬼。表情はもちろん言葉さえ話さず殺戮を繰り返すので、これで人間味が垣間見れたらもっと人気キャラになったかも。殺しの>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.3

実際のところ大量生産の裏で現地の労働環境が以下程か知るにはドラマでは不充分で。
前作に続いてグリーンのモチーフがそこかしこに、主題には関係ないので単に監督の好みか。
家政婦の行動は復讐というかは逆恨み
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.5

日本そのものがムラ社会だって気付かないと何時まで経っても対岸の火事。
島国だからか意識は薄いけど、この国だって差別や偏見はずっとある。
集団心理に飲み込まれないようにするにはまずは知ることが大事。
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母娘監禁 牝〈めす〉(1987年製作の映画)

3.8

海で始まり海で終わる。漂い続ける死の匂い。死んだように投げやり。自分を売り他人を売り親まで売った末に見る地獄。ラスト10分は白眉、カメラワークと母子の距離感が素晴らしい、あと冷蔵庫の使い方も。脚本は強>>続きを読む

時の支配者(1982年製作の映画)

3.6

『ファンタスティック·プラネット』はカルト的な人気作になったが、こちらもなかなかどうして見ごたえのあるSFだった。
丸っこい妖精とか悪魔超人みたいな星人とか未知なる生物たちのデザインを眺めるだけでも楽
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

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過去3回瓶に閉じ込められた魔人が4回目に空けたティルダ・スウィントンに過去の話を語りかける。
物語を語ることについての話でもあった。
過去のお話とカラフルな映像が良い。
最後ふわっとして終わったな。
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.6

高値安定のゆるゆる会話とキレキレアクション。
同僚や敵にも愛らしさを持たせるキャラ造形。
骨が折れる音や服の摩擦音など音にこだわりを感じられて良い。
この映画のアクション監督が、もっと有名な役者にアク
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.1

片方がチートキャラだとアクションシーンを長く見せるのに工夫が必要、何せ一撃でかたがついちゃうから。
ドラゴンボールの戦闘シーンみたいな演出がいくつか、日本の漫画やアニメにやっぱ影響受けてたりするのか。
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.6

オードリー(というか若林)周りで『だが、情熱はある』が一体何本できるんだ。
ケータイ大喜利見てた~、レジェンドの笑いにかける生活は壮絶。
笑いを作る才能と笑いを人に届ける才能は全く違うのがよく分かる。
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.6

俳優が演じてるのと実際のユーチューバーは違いがあるけど、それをうまく言語化はできない。
YouTuber同士のいざこざはどうぞご勝手にという感じだが、彼らを真似して他害行為に躊躇なかったり、崇拝してサ
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から漏れてくる不穏さとヒリヒリ感が深田作品を見てるなーって実感する。彼の作品を見てると何となく、日常生活における人との付き合いで流れる空気により敏感になれる気がする。劇中の黄色の配色だったり、ベラ>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

喪失と向き合い、想像して、寄り添う。
あの時、相手はどんなことを考えてたか。
ラストダンスから終わりにかけてのエモーショナルな盛り上げに涙。
この映画そのものが自分にとってのアフターサン。

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

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予告編のカットはキャッチーだったけど、この映画の中では降霊チャレンジはどういう形で流行ってることになってるのか。
10代の悪ノリの行き過ぎた代償。
主人公の人間性に共感できないのと、後半から終盤のシナ
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

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贖罪がテーマで、観念的な台詞が多いポール・シュレイダーの作品との相性は個人的にあまり良くない。
余りに規律正しいオスカー・アイザックの所作と鋭い眼差しに痺れた。
静かに育まれる愛が美しい。

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

3.6

配信画面オンリーで低予算感を出しハードルを下げようとしたんだろうけど、多分普通に撮っても面白かったと思う。それくらい大規模なことが起きてるし、早い展開にも付いていける。何しろ主人公の底辺ライバー感がた>>続きを読む

花腐し(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

二人が愛した女を肴にくだを巻く男たち。
柄本佑と綾野剛は確かに雨が似合う、それに対するさとうほなみの身体の張りっぷり。
時間の経過と女性の子供に対する気持ちの変化に比べて、男どもの変わらなさ具合がエグ
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