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ピアニストのPyのレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
4.9
この映画と恋に落ちた…。
ここには理屈を超えた何かがある。

何だろうこの面白さ。凄まじく第二の客観の目が疼いている。自分の忘れようとしていたあの頃の恥ずかしい記憶を映像にされるとなぜ涙が出るのだろう。なぜ面白いと思うのだろう。死ぬ前に見る走馬灯のような感覚なのか。久しぶりに映画の本質的な面白さに触れた気がする。漠然とした感覚が確信に変わりつつある今、この感覚を大切にしたい。

これは人間同士の対話なんてものじゃない。観客一人一人を「主人公のことは俺にしかわからないぜ~」と錯覚させる映画だ。つまり映画の魔力。主観カットの使い方においては『ピアニスト』の右に出るものは居ないだろう。

ありがとう、ハネケ。
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