MasahideYoshida

ピアニストのMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
2.7
2001年公開
監督:ミヒャエル・ハネケ
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母親と長年同居する堅物のピアノ講師が、妖艶な若者の登場によって壊れていくお話。

狂気の話でした。「こじらせる」とかライトに自虐で使う人も昨今多いですが、本当に度を超えると事態は全く笑えない状況までいってしまうという恐怖。ゆがんだ自我を守るために、すべてのつじつまを狂った方法で合わせようとして、最悪のゆがみ方に自体が悪化していく。本人がそれにまったく自覚がないのが最大の人間の恐ろしさかなと。

「自分らしさ」への過度の執着と、一方で自分のすべてを受け入れるだけのオープンマインドさのなさ。摩擦しながら年を取ることの大切さとそれを怠ったときの恐ろしさを静かにBGMなしに描いた、トラウマ系の映画。

2015年9月13日