むらた

シンドラーのリストのむらたのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
5.0
ずっと観たかったけど観れていなかった作品。
今更言うまでもなく素晴らしかった。
ヒトラーやナチス、ユダヤ関連の映画はそこそこ観てきたがまだまだ勉強不足。
けどいろいろな側面から見ることによって少しずつ立体的になっていくのも感じる。
想像するだけでとても恐ろしいことだけどもただの他人事にして忘れてはいけない。

描写自体の残虐さはそこまででもなく、3時間という長さも感じないし分かりやすい作品だと思う。
部分的にカラーにしているのも良い。


自分の血を頬に塗って化粧をする女性たちはとても印象的でハッとしたし、そこまでしなきゃいけなかったのかと重苦しい気持ちになった。

シンドラーは完璧な善人ではないし、シンドラーだけではなく誰しもがそうだ。
今の状況はおかしいということに気付けるか、おかしいと思うことに立ち向かえるか、そういう人間としてある種当たり前の行動をしたことであれだけの救えた命があったんだと思う。
もちろん気持ちだけあっても簡単にできることではないし、お金やビジネスセンス、人脈のある彼だからこそできたんだろうけど。

終盤の「もっと救えたのに」と泣き崩れるシーンはフィクションらしいが、個人的に一番辛いシーンでボロボロ泣いてしまった。
できたはずのことが出来なかった後悔は一番しんどい。
それでも結果として本当に素晴らしい行動をしたことには違いない。
今もその救えた命から新しい命が繋がってるという事実にじん…として美しい曲とともにエンドロールに入る流れがとても良い。

またしばらく時が経ったら自然と観てしまうだろうなと思える作品でした。
むらた

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