はるこ

シンドラーのリストのはるこのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.8
戦争映画の傑作を観たかもしれない。

プライベートライアンを観た時も感じたけど、スピルバーグ監督の戦争映画はとにかくリアルで痛々しい。
人によってはトラウマもの。
だけど忘れては行けないのが、これは本当に起きていたことだということ。

モノクロのざらついた映像が、まるで当時の記録映像を観ているようで一気に引き込まれた。

パートカラーで描かれた赤いコートの女の子の行く末。

シンドラー自身は善人、聖人ってわけではなくただ金儲けをしたいだけ。その彼の行動がユダヤ人たちにとっては救いとなっていた。
彼らの間には徐々に雇主と工員を越えた絆が生まれ、最後シンドラーは彼らをもっと救えたはずだ崩れ落ち、嘆き悲しむ。

印象的だったのが、シンドラーがヘレンに対して「大丈夫、そういうキスじゃない」と言うシーン。
自分もいつ殺されるか分からないと怯えているヘレンを安心させるためのキス。
シンドラーの優しさが垣間見える。

最後の人物紹介で改めて実話だったんだなぁと実感する。

こりゃ納得のアカデミー作品賞。

戦争の悲惨さ、愚かさを伝えるために後世に残すべき作品。
はるこ

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