くさむすび

シンドラーのリストのくさむすびのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
3.7
ナチス・ヒトラー映画強化週間④。
ユダヤ人であるスピルバーグが今作を撮った意味は十二分に感じられるが、いくらなんでもこれで3時間15分は流石に長い。スピルバーグほどの天才ならもっと短くまとめられたのではないか。風邪をひいた最中に観ていたので何回か寝落ちし結局全部見るのに3日かかった。クラクフでのユダヤ人一斉迫害シーン、全裸で泥地を走らされるシーンなど、明らかに削れるだろう所を長く見せていて家だと集中力が途切れる。スピルバーグの、メインキャラクターではなくとも、なるべく多くのユダヤ人に光を当てるストーリー展開が冗長さに拍車をかけている気がした。
"自制心"について語るシーンからは良くなっていって、シンドラーが大々的にではなくナチス側にも良い顔をしながら水面下でユダヤ人を救おうとする静かな熱さに胸打たれる。「ユダヤ人を都合よく労働力として利用しているだけ」のようにも見えるが、自らの影響力・資金力を救うことに使っていく姿はカッコ良い。心動かされる話でありながら、描かれるのは綺麗事だけではないのが誠実。映画としてはそこまで好きじゃないし重いけど、リーアム・ニーソン演じるオスカー・シンドラーと白黒である理由が分かるラストシーンの素晴らしさは何度も見たくなる。
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