りょう

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴのりょうのレビュー・感想・評価

3.4
 当時はかなり話題になって、全編英語には賛否ありましたが、それなりにヒットした記憶があります。あらためて観ると娯楽アクションなのにテンポが悪く、妙に間延びしたシーンが多いです。そもそもほとんど物語がないにもかかわらず、121分の尺にアクションシーンが少なすぎます。
 ほぼ全編が屋外セットのロケで撮影されているようですが、あまりに殺風景すぎて華やかさがなく、豪華なキャストの演技なども際立ちません。赤と白で統一された平家と源氏の衣装デザインはとても印象的ですが…。
 英語が堪能な俳優を揃えたんだと思いますが、いまいち登場人物に共感できるような演出になっていません。西部劇という設定にこだわらず、いつもの日本語で演じさせれば、もう少し感情移入できる描写になっていたと思います。ただ、桃井かおりさんや伊勢谷友介さんあたりは役柄もおいしかったし、英語の表現にも説得力がありました。
 三池崇史監督がやりたかったことはわからないでもありませんが、現代的な視点で観てしまうと、その意図をうまく映像化できたとは思えず、少しだけ残念な作品でした。
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