B姐さん

ピープルvsジョージ・ルーカスのB姐さんのレビュー・感想・評価

-
『スターウォーズ』のファンじゃなかったらピンとこないとこだらけだが、ファンだったら頷くところばかり。「オリジナル」原理主義者なオイラはずっと笑いっぱなしだった。
『ファントム・メナス』を観たあとの戸惑い、「いや、こんなはずはない。何か重要なところを見落としていたかもしれん。もう一度観直そう」とか。
鑑賞後の友人たちとの会話も思い出して懐かしい気持ちになった。「結局、映画は誰のものだ?」なんて飛躍した会話が飛び交っていたっけ。

ドキュメンタリーも『スターウォーズ』という映画を飛び越えて「現象」になり、「文化」になり、巨大な「産業」に発展したものを俎上にのせて多面的に考察する。そして「映画とファンの関係性」とか「文化までになった映画のあり方」とか色々考えさせる。
まあ考察というか、『スターウォーズ』の功罪を「ワイワイ」「あーだこーだ」やっている感じがいい。しかしインデペンデントで映画を作ったのに、いつのまにか「文化」を作ってしまった人は大変だなあとつくづく思う。

あと映画を観て強く思ったことは、ディテールが映画の輪郭を作るということだ。映画を観てなにか「引っかかる」印象を持つのは、重要なシーンやフックでなくとも些細なシーンのディテールだったりするということ。

だから『スターウォーズ』の話をすると居酒屋での座持ちがいい。
それだけでも我々はジョージ・ルーカスに感謝すべきかもしれない。

DVD(3/25/2015)
B姐さん

B姐さん