河瀨直美監督で初めて観たのがこの映画
ゴウゴウと吹きさらす風に、緑の葉を鬱蒼と蓄えた木々がバサバサと揺れる
しかし大地にしっかりと根を張ったそれらは容易には倒されず、何十年もの歳月を耐え忍ぶ
恐らくその地に住む人々にとっては日常の一部として当たり前のように存在しているこの自然の魅力を、本作は力強くスクリーンに切り取っていた
ストーリーは、ある男女がそれまで受け入れられなかった近親者の「死」という現実を自分の中で昇華させていくというもの
自然と戯れ、自然に畏怖し、自然に救われ、自然に還る
見終わってすぐよりも、心の奥底に沈み込み後々全身に染み渡っていくような作品だった