殯の森の作品情報・感想・評価

「殯の森」に投稿された感想・評価

しゃび

しゃびの感想・評価

5.0
殯の森は人が大切な人の死と向き合い、葬い、前を向くための場所である。死にまつわる儀式というものは、結局は生者の為にあるものなのだと改めて思う。

写実的なタッチで死者の不在を映しながら、同時に葬いという作業を介して死者との遭遇を描く。


それにしても恐るべき熱量の映画である。
最早、 映画の枠を超え、役者自身がこの世界を追体験している様を納めたフィルムといった趣である。
古書喫茶で働く素人のうだしげきのみならず、演技派女優で知られる尾野真千子ですらも、どんどんと森の中に飲み込んでゆく。

序盤と後半では役者の入り込み方が明らかに変わっているのが分かる。脚本を作らない河瀬監督の順撮り撮影だからできる芸当だ。

時折見せる美しいパンフォーカスが、この映画の記録性と物語性をなんとか繋ぎ止めている。

カメラの外側に向けられた、しげきと真千子の視線は、カメラの外側と内側の境界線を限りなく曖昧なものにする。35ミリの手持ちカメラがそこを切り取ったのは偶然だと言わんばかりに。

間違いなく現代日本を代表する監督の1人。
東京五輪の記録映画の監督になることが決まったが、非常に楽しみである。



ネタバレ↓
しげきが落として割れたスイカを食べ始める。真千子にもそれを食べさせる。ここでしげきは真千子を通して真子を見つける。

しげきが森の中で川を渡り始める。
「行かんといて!」と叫ぶ真千子。真千子は叫ぶ先に、しげきの存在と同時に水難で亡くなったと思われる子供の姿を見る。

物語の終盤、森の奥に突如しげきの亡き妻真子を登場させる。踊る2人。遠くから見つめる真千子。

確実に2人は今は亡き妻と子に出逢っている。
出逢い、想い、葬うことで殯の儀式は完結する。
komugi

komugiの感想・評価

1.0
すんごいなんか昔の日本映画らしい遠回しにオブラートに包みゆっくーりとテーマを伝える映画やった
自分の感性が足りないせいかもやけど、これを見て本当に良かった、これを見て生と死について深く考えさせられたとかならない、、
ということでなんでカンヌかわからんヌ
蒼

蒼の感想・評価

3.0
2017/6/1
とても映像はきれいで、テーマもわかるんだけど、淡々と進むだけ。感覚的すぎて、映画としてはどうなんだろう?と思ってしまった。ラストも、想像はついたけれど、ちょっと物足りない。
律子

律子の感想・評価

3.1
カンヌグランプリだったので映画館で観てみたけど、わたしにはよく分かんなかった。美しくて退屈。
かじ

かじの感想・評価

4.1
定点で映す自然と茶畑、その間を縫う葬列と追いかけっこのなんと美しいこと
と見とれていたら、森を手持ちカメラでぐらぐらと進んでいくうちにさっきまで美しく感じていた自然が怖く思えてきた
MN

MNの感想・評価

3.2
森に逃げちゃうおじさん、最初、平田満さんが演じてるのかと思ったら、萌の朱雀同様、素人のおじさん、主演に抜擢だった。
聞き分けのない子供みたいに、森の奥深くに入ってしまう、おじさんと見捨てられなくてどこまでも付いて行ってしまう尾野真千子。
死にたいおじさんと、生きたい尾野真千子。
同じ痛みを持つ2人の生の対比。
櫻

櫻の感想・評価

-
ひろい森の中に飛び込んだ私たちは、とたんに不安になった。生きているって何だろう。なぜ私は生きていて、あの人は死んでしまったのか。「生きることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれへん。」これは、私のだいすきな作家の宮本輝さんが『錦繍』で紡いだ言葉。そうだ、きっと、生と死は別々なんかじゃない。まったく同じとも言えないけれど、おそらく、互いが隣り合わせだったりあわいにあるのだと思う。歳を重ねた分だけ、たくさんのことを学んだ気でいたけれど、いちばん大切なことはずっと分からないままだ。蓄えてきたはずのものが、やがてどんどん消えていく。その恐怖と、断ち切れない孤独。私たちは、迷いこんだ森の中で手を離さないために、喉が潰れるほど叫んで、あたたまるために、火を焚いて、互いを包みこみ、身体をさすり合った。ほんとうは、分かり合うことも、繋ぎ止めておくことも自信がない。でも、それでいい。横たわる身体の隣で鳴る、オルゴールの音色が風にのって空へのぼっていった。最後に長回しで映る、真千子を演じる尾野真千子さんの表情が晴れやかだったので、観ている私は安堵した。
雪ん子

雪ん子の感想・評価

2.2
河瀬監督の作品を見たくてレンタル。渡辺真起子さんはやっぱり素敵。尾野真千子さんはこの映画で初めて知ったけど、この時の尾野さんが一番綺麗(失礼!)
内容は認知症の方についてなので
決して楽しい!というのではなく
考えさせられる映画。
画の退屈さと主題のあざとさでいまひとつだった。冒頭はよかった。

このレビューはネタバレを含みます

認知症の主人公と、子供を失った女性とが山に入り込んでいくことの意味。生命の息吹の象徴としての山中。叫びが印象に残った。不安が発生させる孤独感。失ったもの同士の共感。夢。確かに山は不気味だ。一人では入っていくことができない。何に襲われるかが怖いのではなく、一人で作り上げてしまう妄想が怖いのだ。
生きるとはと坊主が説教をする。
美味しいと感ずること、暖かさを感じること、正にとは思うが、違う。良いと思えるのは、寒いときに肌を寄せ合うシーンと叫びにシーン。そして、ラストの夢の中のようなシーンかな。大切なものを失ったときのみ触れる事のできる感覚。矛盾と言えば矛盾だ。苦あれば楽ありとも違うか。
スイカを割ってしまい、二人で「おいしい」と言って食べさせあうシーンが基本かな。ひとりではなく、ふたりということの、有り難さ。
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