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殯の森のayabataのレビュー・感想・評価

殯の森(2007年製作の映画)
3.0
2008.5.10.
これを見て河瀬直美はやっぱりつらい、と思った。

オブラートがなさすぎる、生々しすぎる、痛々しすぎることが、
逆に現実を必要以上に、
過酷なものに見せているような気がした。

よく論じられる過疎問題でもそうだが、
客観的俯瞰的に追求したリアリティと、
当事者たちが感じるリアリティは、
少し乖離があるように思う。

それはやっぱり、
人間が忘却と慣れの生き物だからだろう。

映画というメディアで、
客観・俯瞰的リアリティを表現することによって、
視覚・聴覚に現実をまざまざと訴えるというのは、
ドキュメンタリーでは常套手段だが、
この映画のキツいところは、
それがあくまでもドキュメンタリーではなく、
ドラマという立場であることだろう。
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