やまちゅう

羊たちの沈黙のやまちゅうのネタバレレビュー・内容・結末

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ハンニバル・レクター博士に魅了された。
相手を見ただけで多くのことがわかってしまう全知全能感はホームズのようだった。通気口越しに匂いを嗅ぐだけで香水までわかってしまう野性的な嗅覚、絶対に不利な状況ではじっとしている冷静さ、人にどうふるまえば魅了し壊すことができるかはっきりと知覚している点も。心から羨ましいとさえ思った。8年間も地下監獄に閉じ込められてもあの凛とした佇まいと野性的な内面は、どれほど自分の孤独と向き合う能力であるのだろうか。看守を殺害した後に音楽とゆるやかなダンスに酔いしれる事の出来るあの余裕っぷり。何より彼に魅力を感じるのは、すべての欲求が自分の内面にのみあることでもある。他人からの承認や目線など取るに足らない。彼自身の嗅覚と心のこと線の実が絶対的な価値感であり、それを実現するためにおぞましいほどのストイックさと自己コントロール能力がある。気になる。ハンニバルレクター講座とか開いてほしい。
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