カイザーソゼ

羊たちの沈黙のカイザーソゼのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.4
苦しさ 悶え 痛み 苦痛を愛せ
トラウマを乗り越える物語。

現在は投獄中の元精神科医で猟奇的殺人者のハンニバルレクターとFBIアカデミーの研修生との奇妙な関係を描くサイコスリラー。

バッファロービルという連続殺人者を追うが手詰まりのFBI。同じ猟奇的殺人者として投獄中のハンニバルレクターに犯人について何かしらの情報を得る為に美しいFBIアカデミー研修生のクラリスを送り込む。
レクター博士はクラリスの個人的な過去を話すことを条件にバッファロービルについて話していく…

ハンニバルレクターという人物の恐ろしさ、異常さが静かに伝わってくる〜^^;
知性、知識、観察力に洞察力、それに極端な思考と思想の持ち主でありそれらを実行することができる恐ろしい人間。

アンソニーホプキンスの俳優力ももちろん素晴らしいが、カット割りや寄りのフレームショットを駆使しているのとで奇妙さをさらにマシマシで演出している!
また劇中レクター博士はほぼ画面には映らない。映らないのにその存在感でこの映画を文字通り喰ってしまっている!すごっ。

そしてクラリス役のジョディフォスターが美しい!
美しいさと有能さ故に周囲からは好奇の目で見られてクラリスは常にストレスにさらされている。
またクラリスは若くて親を亡くし、牧場で羊と馬を飼っている母方の親戚に預けられた。そこで見たものは子羊を手にかけている牧場主 。子羊達は悲鳴を上げ泣き叫ぶ。クラリスは子羊を助けようと納屋の扉を開け放つが恐ろしさで子羊は逃げない。それでも1匹抱えて逃げるが…
クラリスはそれ以来羊の悲鳴が聞こえるようになる。
バッファロービルに誘拐された少女を助けることで羊達の悲鳴は鳴り止むのだろうか?

名作は何度見ても良い!
新しい発見や解釈に出会えますね!

ごちそうさまでした!