トランスマスター

夜と霧のトランスマスターのレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
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♯155 アウシュビッツ強制収容所ドキュメント

フランス国立映画センターの支援を受けて2015年にフィルム修復が行われた当時のモノクロ映像と10年後のカラー映像。フランス語の詩的な解説を背景に収容所の電流フェンスや火葬場、ガス室、寝室、医務室などを巡る歴史的記録映像。

◆良い点/注目ポイント
・収容された人々の刈られた毛髪は毛布に加工され、骨は肥料に、死体は石鹸に加工される。
ナチスの敗戦後は火葬場の石炭不足で溢れる死者をブルドーザーで穴に埋めていくショッキング映像はトラウマ級です。

◆改善点
・なし。

◆総括
・アウシュビッツ強制収容所全体が刑務所のような施設ではなく病院、娼館、住宅、監獄を擁した都市としての機能があることを知りました。
ラストの「ある国のある時期における特別な話と言い聞かせ消えやらぬ悲鳴に耳を貸さぬ我々がいる」という一文が印象的でした。

-2020年 155本目-