ゆれる木

夜と霧のゆれる木のレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
3.8
一生忘れない、というレビューを書くことは簡単だろう。

でも、2020年現在、ウイグルに強制収容所があることを、そのレビューで一体どう説明する?


歴史は今まさに繰り返されている。この映像を見ないよりは、見ることの方が勿論重要である。けれど、一生忘れない、というのは過去のことのような語り口であり、この様な映像が残されようと、私達は歴史の中で更なる強制収容所を生むことを禁ずることも出来なかったし、そこで今苦しむ人たちに手を差し伸べることも出来ないのだ。

過去にしてはならず、今なお続き、そして繰り返され続けるであろうこの人間の罪を、現在に目を凝らす態度を、私達は培っていかなければならない。
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