ボロロボ

たそがれの女心のボロロボのレビュー・感想・評価

たそがれの女心(1953年製作の映画)
3.7
野暮用の待ち合わせまでに時間潰さねばならず・・・迷いに迷ってこれを観賞することに。期せずして初の恵比寿ガーデンシネマ体験。

まあ、何というか・・・全てはルイーズに起因する、と言ってしまえばそれまでの作品。時代性もあるので仕方ないですが。
その一方で、耽美的でもあり、前時代的な父権社会への皮肉でもあり。体面が大事な上流階級への皮肉たっぷり。
こういう作品が古くに作られているという先見性に感服する。

時代を超えて、仮面夫婦というのは普遍的なテーマであり、その対象が特権階級であれば尚更であり、そこに信仰と不倫と純愛(矛盾してるなあ)が絡めば美味しい題材なのだと実感。

モノクロだけどヒロインを徹底的に美しく撮っていてステキ。

男性社会の論理は・・・今となっては空しいばかりで、終盤の決闘なんてナンセンス極まりないが、当時は個人間の紛争解決として十分機能する手段だったのか。

ロウソクの使われ方が印象的。
着火して、消して。

将軍の捜索シークエンスはユーモラス。
意外とコミカル。

将軍の価値観は全く認められないのだけど、あんまり嫌いにもなれず・・・何だかんだでルイーズには優しかったからなあ・・・まあ、その優しさは表面的なものに過ぎず、更に終盤はヒドイので、共感すらできないですが。
かと言って、ルイーズもルイーズなんですよねえ・・・
嘘に嘘を重ねる罪深さは双方にあり。それ故に、ダイヤの耳飾りは双方を往き来する・・・

観客に委ねられているラストは好感が持てるけど・・・大使はお気の毒としか思えない。

ルイーズは本当に美しかったが、魔性の女。
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