おと

メリー・ポピンズのおとのレビュー・感想・評価

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)
4.2
予想外に面白かったな。

こういった評価を気にせずに遠慮なく振り切った映画は面白いものが多いなと感じるこの頃。
徹底された娯楽映画であり、良いエンターテイメントだった。
内容は薄いが、それでも評価できる映画。

伝えたいこと、描きたいことはたった一つ。
この映画を見た観客にどう感じて欲しいかのビジョンが明確で、とにかく明るい気持ちで帰ってもらうことを目指して作られた映画なんだろうな。
社会性やメッセージなど色々なところに手を出さずにコンパクトにまとめられている為、本来描きたい部分にたっぷり時間を使うことができていて、こういう良さもあるのかと新しい発見があった。

バート役のディック・ヴァン・ダイクがとても良かった。
いくつ顔を持っているんだと言いたくなるほど豊かな表情の数々で、あんな演技をできる人は今ではなかなかいないと思う。
顔を作るだけなら俳優なら誰でもできそうではあるけども、あれは仮面ではなく内側から湧き出た表情だったし、それだけにとどまらず、嬉しさや楽しさを体現した軽やかなダンスも見事で、とても貴重な俳優だと思った。
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