ゆっけ

ある子供のゆっけのネタバレレビュー・内容・結末

ある子供(2005年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

女は子を産んだ瞬間母になるが、男はいつ父親になるのだろう? 物語が進むうちにタイトルの「ある子供」とは若い2人の間に出来産まれた赤子ではなく主人公のブリュノを指しているのではないかと思い始める。冒頭から産まれてきた子に対してブリュノは愛を持って接していない。それは赤子とブリュノが2人になった時勝手に養子に売ってしまう行為で決定的にわかる。養子に出した事を知ったソニアは卒倒し怒り狂いブリュノを追い出す。そのシーンで既に母親としての意識が芽生えているソニアに対してブリュノは何も変わっていないことが映像を通して汲み取れる。養子縁組を破棄し子供はソニアの元に戻るが2人の関係は破局し、養子縁組を破棄したことで発生した違約金を支払う為に窃盗を犯したブリュノは刑務所に入る事となる。ラストシーンのブリュノとソニアの泣きながら抱きしめ合う場面はそれでも離れられない2人の、子供を入れての3人の家族の再生を暗示しているのか。そうあって欲しいと願うところだ。父になるとはどういう事なのか?そんな事を考えさせられた。
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